「長靴をはいたデコ」
長靴をはいたデコ | |
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ともあれ、感想としては……
・本編、そっちかよ! メタ的な描写がところどころに見られると思ったが、発想が根本から逆だったとは。
・作中作をわざわざ入れてる理由はあるとは思ったけど、よもや……なぁ?
・しかし、最後の最後まで車田リスペクトかよ!未完なのかよ!
・つか、前作でのネタ振りは無かった事になったのかいな。或いは、蠅声の王IIを期待していいのか?
……とまぁ、こんな感じ。未プレイの人間ほったらかしな感想だなぁ。
中盤まで一風変わった逆落ちもの系のコメディと見せ掛けておいて、伏線を張りまくり、各ルート終盤にて一気に辻褄を『合わなく』してゆく。
そして、基本四ルートを終えた後に冒頭にて提示されていた大団円へのルートらしきパラグラフへと飛ぶと、そこで辿り着く『回答』と、その先に待ち構える『真相』……アレだ、『最果てのソラ』とか好きな人間なら「おお〜」と唸ってしまうかもしれない。いやまぁ、構造に若干の似ている部分があるだけだけれども。
前作にてシステムにおける発想を逆転させてきた本ブランドだが、本作においてシナリオにおける構成を逆転させるという荒業を仕掛けてきた。正直、〜採点〜以降の展開は怒涛過ぎて良い意味で予想を裏切ってくれる。前作ではシナリオ面での裏切りが少なく『往年のゲームブック』の枠を超えていなかったのに対して、本作では『デジタライズド・ゲームブック』として一皮向けた感がある。大槻、GJ!
さて、システム面の大幅改善や大胆なエフェクトの導入、はたまたフルボイス化によって大きく前作から進化した本作。
テキストは若干角のとれた文体にはなっているが、それでも尚、往年のゲームブックプレイヤーにとって郷愁を誘う言い回しは健在。
デジタルダイスやアイテムを用いた擬似フラグ管理なども、相変わらず『ゲームブック』らしくて非常に宜しい。
二作目にして堅実に押さえるべき点を踏まえながらも冒険してきた感が見て取れて、非常に好感の持てる作品。
ともあれ、独特の作風ながら今後とも非常に応援したくなるなぁ。テキストも俺好みだし。