思い出の作品達 第百七十五回 「三国志曹操伝」

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 本作における魔王孔明ジャイアント・ロボにおけるBF団の孔明と並ぶ黒歴史孔明じゃないかと思う今日この頃。
 前作の皇帝司馬懿も大概だった気もするが、これに比べればまだまだ現実味に溢れているだろう。何せ、「魔王」だし。
 
 さて、本作は前々から俺が勝手に主張し続けているように、英傑伝シリーズの最高傑作であり最凶鬼作である作品である。時期的にみて「蒼天航路」の人気に肖って製作されたと推測される。まぁ、世情に合わせて作品をリリースしたり能力値を修正したりするのはいつもの肥商法であるが。
 劉備諸葛亮と蜀陣営が続いていたところに(途中、微妙な出来の毛利元就とまぁまぁな出来の織田信長を挟んで)満を持して身長と性格以外の万能ぐあいに定評のある魏武帝こと曹操を主役とした物語となっており、他の英傑伝シリーズと同様に序盤から中盤にかけては史実を舞台として、終盤で大きくIFストーリーが待ち受けているという構成。基本的に前作までと同様な史実+αな展開のシナリオに沿って魏の名将達を使いこなして天下統一を目指すという赤(+黄)ルートと、蜀の益州侵攻から大きく分岐して魔王に憑かれた諸葛亮を相手にその野望を打ち砕くべく戦っていく青ルートの二種類となっている。その他にも例によって細かく各章内でも分岐選択が存在しており、攻略が有利/不利になったり或いは攻略目標が変化する程度のモノから有力将帥の運命を左右する様な分岐まで存在していて、典韋郭嘉夏侯淵といった史実では戦死/病死した連中の生死を覆す事も可能となっている。因みに、郭嘉生存じゃないとレッドクリフが大変になるので注意が必要だろう。
 また、本作では複数周プレイに対応したシステムが搭載されており、二周目、または三周目においてはスタート時に幾分かの特典が与えられるようになっている。更に周回プレイを通じて作中に登場する特殊装備品を全て集め『宝物図鑑』を完成させると同じくスタート時に全アイテムを一つずつ無条件に入手する事が可能となる。まぁ、全アイテムを入手出来るほどやり込んでいれば、今更な気がしなくもないが。一応両ルートクリアしないと全アイテム入手出来ないし。
 他にもシステム面においては敵レベル変動制(FF8のアレ)が導入されており、各ステージにおいて出陣した自軍部隊の平均レベルに応じて敵部隊の強さが変動する仕様となっている。タクティクスオウガ等の様に自部隊の最高レベルが基準ではなく平均レベルが基準となっているのは、ユニット編成の自由度と史実に基づいて時折存在する特定のユニット強制出陣ステージにおけるバランス調整を鑑みて為された仕様であり、孔明伝において登山家に泣かされた人でも安心して曹洪を飼い殺しにする事が出来るだろう。というか、曹家と夏侯家の連中の飼い殺しは反則レベルだったり。
 
 兎にも角にも青ルートの存在だけでもプレイする価値のある作品。
 魔王孔明という言葉の響きに感じるものがあるならば、是非とも一度プレイしていただきたい一品。