428 〜封鎖された渋谷で〜 「クリアしてからが本番……というほどでもないけれども」
428 ~封鎖された渋谷で~ 特典 スペシャルDVD「SHIBUYA 60DAYS ~Making 428~」付き
最終章にて、18:00-20:00の時平面で一定のフラグを立てた状態でのみ出現する分岐から派生。
ぶっちゃければ、大沢死なないEnd。或いはカナン編解放フラグ。
まぁ、大団円といえる結末……?
・ボーナスシナリオ1
佐伯先生の台詞を脳内でブラック・ジャックのそれに置き換える作業が楽しいシナリオ。
いや、だって、そりゃまぁ俳優さんなんだから、こういったお仕事も珍しくないだろうし、
そもそも前作にだって雪乃五月や谷山紀章が出演していたし……しかし、よりにもよって(腕の立つ)医者役は狙い過ぎだろうて。
しかしまぁ、先入観を省いて見ても妙に貫禄があるから困る。流石は大塚明夫、医者がよく似合う。
閑話休題。
さて、感想としては同じ血液型+15歳の誕生日までの延命辺りでネタは九分九厘読めたが、それでも十分読ませる内容だったかと。
短く使い古された筋書きだからこそ、純粋にシナリオライターとしての腕が問われるところだが、その期待に十分応えている。
本編で回収し切れなかった遠藤兄妹の救済編としてちゃんと伏線を回収するお話として、ついでにBad End蒐集への対価とするに足りうる内容だろう。
・ボーナスシナリオ2
外の人に中の人にと明夫大盤振る舞いだなおい。
しかし、しかし敢えて声を大にして言いたい。TYPE-MOONを絡ませるのなら中田譲治起用しろよ、と。
ジョージが出ないTYPE-MOONなんて、クリープを入れないコーヒーみたいなモノじゃないか。俺、クリープ入れないけど。
まぁ、ジョージっぽく無いけどな。シャム。アルファルドがおっさんだったら間違い無くジョージっぽいんだが。
兎も角、絵柄もシナリオもいつもの型月。全く以って変わる事の無い品質である。流石は型月クオリティ。違いはメイドが出ないぐらいである。
あまりにもいつも通り過ぎるので逆に拍子抜けした部分もあるが、十分楽しめたかな。
・隠しシナリオ&スペシャルエピソード
隠しシナリオ、何だかあっさりしてねぇかな。ボーナスシナリオ二編で力尽きたのかもしれないが、凄く短編過ぎる。
スペシャルエピソードについては、アレをノーヒントで見つけた人達は凄過ぎる。半分以上は、普通にプレイしていたら絶対気が付かないだろうに。
・陰謀編
今回も、やっぱり仕込まれていた陰謀編。
懲りないというか、飽きないというか。ただ、新鮮味はあんまり無いなぁ。
とりあえず、バレバレだぞ、と。
以上、クリア後要素は攻略サイト頼りでサラッとなぞったが、本編に何だかんだで時間を喰ったので、合計プレイ時間は30時間ほど……やはり、ボリューム減ってるよなぁ。これを無駄な部分を削った結果と見るか、或いは前作から劣化したと見るかは人それぞれだろう。俺自身としては、何度か繰り返しているが『「街 〜運命の交差点〜」と同じシステムを用いながら目指すところを異なった作品、双方に優越は無い』のだが。
何だかんだで楽しませてもらったかな。PVの『ジェットコースター・サスペンス』という言葉がしっくりくる、躍動感に富んだ名作ADVだった。