スマガ 紹介/感想

スマガ 初回版

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紹介

  • ジャンル:人生リベンジADV
  • シナリオ:大枠で前編と後編の二枠に別れ、前編はBad End以外は一本道、後編は個別ルート毎にEndingが用意されている。最後にTrue End。
  • 難易度 :ルートを辿るだけなら然程。全CG回収であったり、物語を判り易く辿っていくつもりならば各攻略サイト様へどうぞ。
  • 粗筋
    • 記憶喪失の主人公:うんこマン(仮)は、気が付くと何故か上空から自由落下状態だった。当然記憶が無いので、その理由は判らない。そんな支離滅裂な状況に見舞われた彼の前に現れたのは黒の三角帽子に外套を纏い、箒を操って空を舞う魔女。そして彼女らへ、眼下に広がる街へ襲い掛かる悪魔:ゾディアックだった。事態を把握する間も無く彼女らの戦いを眺め、己の墜落死を何とは無しに受け入れていた主人公:オザキキヨヒコ(仮)の心へ、一人の魔女の言葉が、挺身が突き刺さる。己に出来る事があるならば、せめて彼女らに当たり前の幸せを。そう心に誓って主人公:うんこマン(仮)は神様(幼女)から与えられた機会を用いて、人生にリベンジを始める事になる。

感想

シナリオ概観

 一周目(スピカ→ガーネット→ミラというかハーレム):プレイ時間・10時間弱
 とにかく、ジュブナイル的というかループ・セカイ系の基本を守った上で、最後の最後にDeus Ex Machinaな荒唐無稽な力技による一応のHappy Endへと繋がる王道な物語。世界を救って尚絶望に身を焼き、世界を書き換えた上でもそれを保ちえず消え失せ、それでも尚諦めずに最高の結末を目指し、辿り着く道程は見事と言うほか無いだろう。殊、中盤辺りでの『記憶持ち越し故の空回りと擦違い』をしっかりと描ききったのはループを題材にした物語を創る上で非常に評価出来るのでは無いだろうか。あそこでの失敗をドキツク描写しているからこそ、終盤の展開が光ってくる……しかし、だからといってハーレムは無いんじゃねぇかと思う今日この頃。きっと、隣で模造刀振り回されて精神的に追い詰められてたんだろう。
 
 二周目(各ヒロイン個別ルート):プレイ時間:3〜4時間×5
 一周目にて世界の本質に触れてしまったうんこマン(通称:かちかちうんこマン)をアドバイザー兼オーディエンスに加えて、新たなうんこマン(やわらかうんこマン)を主人公に、各々のルートを順不同に進行・完結させていく多重視点な構造となっている。一周目での経験を前提としたリベンジルートとしてメインヒロインについては大筋は一周目に倣う形ではあるものの、多少力技であったり(世界設定的に当然ではあるが)ご都合主義的であったりしつつも、見事にスピカ編・ガーネット編にて前回の結末を覆す結果を勝ち取り、ミラ編においては前回と多少異なるが最良の結末を向かえ、雨火編では世界の異端としての主人公についての掘り下げを、姫々編では世界そのものについての真実を得る事になる。
 そして、個別ルートにおける結末を前提として、物語の始点に終止符を打つべく、最後の物語が幕を空ける。
 
 True End:プレイ時間・小一時間
 多くは語らない。一言だけ述べるならば、最後の最後まで良い歳した野郎向けなジュブナイルを徹底したとでも言えるだろうか。
 愛を語ったり叫んだりするのは世界の中心と相場は決まってるわな。

色々と徒然

 ・私見としては姫々>スピカ一周目(+ガーネット一周目前半部)>スピカ二周目>雨火>ミラ一周目>ミラ二周目>ガーネット二周目>ガーネット一周目といった感じ。単なる俺の趣味だが。一番萌えるのが会長、一番燃えるのがガーネット二周目、一番エロいのが……スピカ二周目と雨火で悩むところだろうか。
 ・まぁ、萌えにかんしてはド直球の会長よりも王道なスピカを対抗に推したいところではあるが。肝試しのシーンがステキ過ぎる。
 ・燃えに関してはガーネット二周目のクライマックスがやはり屈指だろうか。対抗だと会長の石破ラブラブ天驚拳周辺とか。
 ・ライナーノーツの虚淵玄の言葉に、俺は、激しく同意を表明したいッ! あの設定は納得出来ても理解出来ねぇ。
 ・どうでもいいが、白石宮本頑張り過ぎ。非常に良い悪友過ぎる。
 ・今回B級映画ネタが妙に多いのだが、真っ先に理解出来たのが「女囚ファイル 獣人地獄!ナチ女収容所 [DVD]」な俺って多分色々と駄目過ぎる。
 ・悪魔の誕生は祝うものである、元ネタは呪うべき代物だけどな。
 ・駅の外観を見て、何故か水曜どうでしょうの一場面(サイコロの旅4)で脳内補正された藩士は俺だけなのだろうか。
 ・とりあえず、仙台市がモデルだからって、荒木橋に飛呂彦通りって直球過ぎやしないだろうか。しかもサラッとシリアスシーンに混ぜ込みやがって。

まとめ

 いつものNitro+らしくないのに、結果としていつものNitro+節を感じられる。アレか、愛が勝つからなのか。
 とは言うものの、月カルから期待して買うとギャップに戸惑うかもしれない。俺としては有りだったが、俺結構悪食プレイヤーだし。
 
 とりあえずは、上記の通り虚淵玄が指摘している箇所にのみ戸惑ったものの、それ以外では概ね楽しめた良作だったかと。