坂の上の雲

先日、近くの古本市場に立ち寄ったら運良く全巻揃っているのを発見したのでまとめ買い。前から欲しいとは思っていたのだが神官で購入するにはちと高いし古本は全巻揃っているところを見たことがなかったので、つい買いそびれていた。
まぁ、大まかな内容については「日露戦争物語」を読めば判ってしまうわけだが。
しかし、戦前までの歴史を語らせたら本当に格好良く書いてくれるので司馬遼太郎は結構好きだったりする。歴史好きとしては通過点に過ぎないとは思うが。
だが、事あるごとに日露以降の日本を批判的に見すぎる点が気に喰わない事この上無いが、人間誰しも個性がありいかなる作品にも長所と短所があるわけで。要するにムカつく部分以上に面白い部分があれば無問題と言うわけである。
それで、この「坂の上の雲」はどうなのか?と問われれば『ごめん、結構ツボにくるかもしれん』となる。何せ秋山真之とか丁字戦法とか心の琴線に触れるし、「敵艦見ユトノ警報ニ接シ、聯合艦隊ハ直ニ出動、之ヲ撃滅セントス。本日天気晴朗ナレドモ浪高シ」となれば魂の底から奮える位である。
また歴史小説としても普段取り上げられることが少ない近代日本を非常に面白く描いていると思う。あぁ、何で大東亜戦争をこの調子で書いてくれんかったのだ司馬遼太郎。と言うか、大東亜戦争大日本帝国を総合的に取り扱った名作小説は無いのだろうか?因みに仮想戦記は一部を除いて論外。因みに一部とは「東の太陽、西の鷲」と「レッドサンブラッククロス」ぐらい。論外の代表例は「紺碧の艦隊」の中盤以降(途中までは読み物としては面白かったから、歴史小説とか戦記小説として及第点にはまるで至らないとしても)辺りが筆頭か。
さっき調べたら「東の太陽、西の鷲」は【楽天ダウンロード】で買えるっぽい。原価なのが痛いが古本でどうしても見つからないようだったらこっちもアリかもしれん。


坂の上の雲
第1巻 asin:4167105764 第5巻 asin:4167105802
第2巻 asin:4167105772 第6巻 asin:4167105810
第3巻 asin:4167105780 第7巻 asin:4167105829
第4巻 asin:4167105799 第8巻 asin:4167105837