今日のおすすめ『貴志祐介「天使の囀り」』

天使の囀り

天使の囀り

天使の囀り (角川ホラー文庫)

天使の囀り (角川ホラー文庫)




 黒い、そして怖い。しかも、実際現実に有り得そうなのがよりそれらを増幅する。初版は1998年だが、7年経った今でも十分『現代の物語』として通じる作品。むしろ、現実がこの物語に近づいているとすら言えるかも知れない。それが事実かどうかは、この作品を実際に読んでみて感じるしか無いが、俺はそう感じた。
 
 ノリはパラサイト・イブに近いか?尤も、この作品では意思有るミトコンドリアでは無く意思無き線虫の一種が"パラサイト"にあたるが。多分昨日紹介した「クリムゾンの迷宮」と並んで、邦画化されることは絶対無いであろう作品。俺はおすすめするが、グロデスクなのが嫌いな人は避けた方がいいだろう。