今日のおすすめ『貴志祐介「十三番目の人格―ISOLA―」』
- 作者: 貴志祐介
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 1999/12
- メディア: 単行本
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- 作者: 貴志祐介
- 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
- 発売日: 1996/04/18
- メディア: 文庫
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エンパス能力を持つ主人公と、大震災にて心に傷を負ったらしい少女。しかし実際には少女は多重人格で有ることを知り、胸を痛めつつも少女を打ち解けていく主人公。だが、彼女の人格の中にある危険な人物を見出す……
超能力というもはや意外性の無い要素を用いて、他要素を以って意外性高い作品に仕上げる手腕は、著者の力量を認めざるを得ないところだろう。また、漢和辞書を用いた人格作成なども興味深く、個人的に参考となる。
ただ、惜しむらくは中盤以降が若干急展開過ぎると感じられる部分だろうか。尤も、それがこの作品の評価を高める一因になるとも思えるので、一概に批判は出来ない。
五段階評価で星☆☆☆☆ と言ったところだが、それでも十分おすすめに値するだろう作品。残酷描写も今までに紹介してきた著者の作品に比べて比較的ソフトであるから、その点で他作品を敬遠している人はまずこの作品を読んでみてはいかがだろうか。