今日のおすすめ『貴志祐介「青の炎」』

青の炎

青の炎

青の炎 (角川文庫)

青の炎 (角川文庫)




 熱い衝動と冷たい理性を以って犯罪―殺人―に走る少年の顛末を余す事無く描いた作品。これも映画化されたが、評価は今三つ。正直、著者の作品は映像化に向いていないと思うのだが。内面描写多いし。
 個人的には今まで紹介してきた作品の中で、一番評価が低い作品。主人公を学生に据えた事で、幾分他の作品とは変わった軽い作風に仕上がってはいるが、その分どうしても主人公が薄っぺらく思えてしまう。ぶっちゃけ、青臭い。
 
 尤も、それが購買層によってはウケる要素ともなりえるし、リアルタイムで単行本を読んだ際には色々と考えさせられた作品ではある。今となってはそれ程おすすめな作品では無いが、昔感銘を受けたと言うことで紹介。