思い出の作品達 第十五回 「星のカービィ 夢の泉の物語」

星のカービィ 夢の泉の物語

星のカービィ 夢の泉の物語




 現行のシリーズに共通するシステムが完成した本作。初代において設定された『吸い込み』『吐き出し』『風船化して空を飛ぶ』に加えて『能力コピー』が追加され、多彩な動作と演出の幅が広がり、マリオに次ぐ任天堂人気キャラクターとしてのカービィの土台を磐石と化した作品。
 
 ゲーム自体は横スクロールアクションとしては基本的な作りとなっているが、ステージクリアごとに徐々に明らかになってゆく各エリアマップは視覚・感覚的にゲームを攻略している感を味わうことが出来る。また、一部ステージにて隠されたスイッチを踏む事によって開放されてゆく(本編攻略とは関係の無い)ミニゲームなどの隠しステージも充実しており、所謂やり込み要素も取り入れられていると言えよう。
 シナリオ的には(どちらかと言えば脇を添える程度ではあるが)王道な路線となっており、因縁のライバルが存在したり、最後の最後でどんでん返しが仕込まれていたりと、少年漫画を読む時のような熱血な印象を受ける爽やかな内容となっている。最後はハッピーエンドだしな。
 
 俺が小学校低学年時代にクリアした数少ないアクションゲームの中では、最もお手軽にプレイ出来て、程々の難易度を有していただろうと思われる作品。マリオシリーズを筆頭に、万民向けのゲームを模索する任天堂らしい作品の一つだと言えるだろう。