思い出の作品達 第三十一回 「時空の旅人」

時空の旅人

時空の旅人




 はい/いいえだけで進めていくAVG。分岐数とテキストの量が少な過ぎるので、簡単に総当り攻略する事が可能だったりする。実際には全通り試さなくても展開は全部埋まるから余計に簡単な攻略が可能……作りこみが甘いなぁ。
 『日本史上の有名な人物と未来から来た人間とが接触し、歴史を変える』というゲームの設定自体は在り来たりながら、練り込めば十分に面白い代物になりそうなネタであり、そもそも『選択肢によるストーリー分岐』という次世代的なアイデア(当時はコマンド総当り形式のAVGが当たり前だった、選択肢方式が主流になるのは「弟切草」以降。)を仕込みながら、出来上がった作品の馬鹿さ加減は残念に思えてならない。後数年後に、もう少し脚本や演出を凝った形でリリースしていれば革命的な作品として世に名を残したかもしれないのに。
 
 ……まぁ、俺としては本作の馬鹿馬鹿しさも好きだったりするけど。