思い出の作品達 八十六回 「ダークハーフ」

ダークハーフ

ダークハーフ

 
 
 歩いているだけで衰弱する魔王と魔王を一撃で葬り去る勇者の物語。
 ……間違っていない、嘘は言っていないはずだ、多分。(ダークゲート使用がデフォルトだとすれば、随分ヘタレプレイだがな。)
 
 一時期流行った『敵役の視点でプレイ出来るRPG』(そんなジャンルがあるのかどうかは知らんが)な本作。
 世界を滅亡させるべく人間の『ソウルパワー』を喰らいながら各地を巡る魔王と、魔王の所業を止めるべく世界を奔走する勇者の二つの視点から描かれる異色のシナリオは、暗く退廃的な中世欧州をモチーフにした世界観とも噛み合って、独特の作風を演出している。人々を喰らう魔王/人々の魂の結晶=ファティマを集める勇者。人々に絶望を与える魔王/人々の希望を集める勇者。その対比を示しつつ、徐々に世界の設定を明らかにしてゆく演出手法は中々良い感じ。
 
 ある意味、「魔界塔士Sa・Ga」の対極に当たる作品。何故、俺がそういう評価をするかは最後までプレイすれば自ずと判るだろう。
 ……ラストバトルにて一撃で片を付けられるのが似ている、等という理由だけじゃないぞ、本当に。