思い出の作品達 八十七回 「スターオーシャン」

スターオーシャン

スターオーシャン

 
 
 90年代後半から00年代初頭において、Enixの二番手作品として定着していたアクション要素入りRPG
 テイルズオブファンタジアを製作したスタッフを中心として設立されたトライエースの処女作でもある。
 
 冒頭から長大な宇宙を舞台としたSF映画の様な演出で始まり、節々に『桁外れの技術を有していたであろう超古代文明』だとか『隔絶した技術を科学力を有する敵対勢力』だとか如何にもな要素が盛り込まれているが、基本的には剣と魔法の世界を舞台としたRPGである。と言うか、タイトルが『星の大海』なのに宇宙が出てくるのは冒頭と終盤のイベントのみと言うのは正直どうよ?その辺り、スペースオペラとして重大な欠点だと思うわけだが。(続編のセカンドストーリー/ブルースフィアでも宇宙は其の程度の扱いだったし、最終作に至って漸く宇宙を飛び回ってみたらマトリックス落ちだったりと、つくづくスペオペしてねぇよな、このシリーズ。)
 また、序盤から中盤にかけてはおつかいイベントの連続で(伏線こそ少々張っているものの)全然物語の中核に触れない割には終盤にて怒涛の展開で目まぐるしく打ち切り臭い勢いで物語が進行したり、各種イベントが明らかに削られた形跡で放置されていたり、寄り道イベントが多過ぎて攻略本無しには全然回収し切れなかったりと、シナリオ面にて素晴らしく完成度が低い作品となっている。
 ただ、システム面においてはバグこそ多数搭載しているものの様々に作り込まれた作品となっており、膨大なアイテムと一々仕込まれたネタ/それらのアイテムを様々に作成/改良するアイテムクリエイション/簡単に攻撃・必殺技を繰り出せる戦闘システム/様々なミニイベントが仕込まれたプライベート・アクション……シナリオが薄い分、何度でも遊べるような作りになっているのは有り難い。
 
 シリーズも完結した事だし、NDS辺りで本作の大幅リメイクとか出ないかね。