思い出の作品達 百三回 「スーパーマリオワールド」

スーパーマリオワールド

スーパーマリオワールド

 
 
 任天堂SFCのローンチタイトルとして世に送り出したキラータイトル
 完成されたシステムと意欲的な新機能を融合させた、SFCにおける2Dアクションの完成型の一つ。
 ……なんでローンチからあそこまでクオリティ高い作品を出せるのよ任天堂は。
 
 既に『Aでジャンプ/Bでダッシュ』という単純にして至高のシステムを「スーパーマリオブラザーズ」において完成させていた本シリーズ。
 SFCへと活躍の場を移した結果『B-DASH!』こそ無くなってしまった(本作でのダッシュや特殊アクションのボタンはY)が、その基本的なシステム『一つのボタンはダッシュ、もう一つのボタンはジャンプ/二つのボタンと十字キーを組み合わせる事でダッシュ・ジャンプ』は変わっていない。(このシステムが変わるものが登場するのはデジタル入力ではなくアナログ入力による歩行⇔走行の区別が出来るようになったN64以降となる。それまではACTに限らず幅広いジャンルの作品において『ダッシュ≒あるボタンと同時に十字キーを操作』が広まっていた。)ただし、活躍の舞台を移したことによりボタンがFCの4つからSFCの8つへと増加しておりそれ故にアクションに幾つもの新要素が加わっている。
 まず、最大のものとしては『ジャンプの種類』だろうか。今まで、ジャンプといえば二種類(通常ジャンプとダッシュジャンプ)しか無かった本シリーズにおいて『スピンジャンプ』なる新たな要素が加わった。これにより、今まで出来なかった『足元のブロックを砕く』『ノコノコをジャンプで倒す』等のアクションが可能となり、プレイの幅や謎解きの要素において広がりを見せる事になる。次に、仲間キャラクターの登場が挙げられるだろうか。その後のシリーズ/スピンオフ作品において定番となる『ヨッシー』の初登場作品が本作であり『アクションの行動制限はあるものの、特殊な能力を持ち耐久力を兼ね備える仲間を上手く使いこなしてプレイする』というプレイ上の選択の幅が広がる(と同時に難易度も低下しているが)事になる。また、一応述べておく点としては本作からマリオ・シリーズにおいて『バッテリー・バックアップ』が搭載される事になった事だろうか……いやまぁ、本作が世に出た時点でバッテリー・バックアップ機能による進行状況の保存は珍しいものでは無くなっていたから、別段特筆すべき事では無いのだが。
 また、演出や表現においてもFC→SFCの機種変更は大きなモノを生み出した。まず『容量が桁違いなので、綺麗な画像で滑らかな描写が可能』『処理能力が桁違いなので同時に多くの要素を表現出来る』『特殊な処理も機種依存能力で可能となったので同じ画像を用いても回転・拡大縮小により様々な状況を演出する事が出来る』等、まだまだスペック増加によるゲーム性/作品性の上昇が比例関係にあった古き良き時代を反映するかのような進化を遂げている。(まぁ、個人的にはN64初期までの任天堂は『スペック増加によるゲームの進化』を正しく遂げていたメーカーの一つだと思っているが。そして正しく進化し続けたが故に、その後のスペック偏重主義をいの一番に抜け出せたメーカーであるのかもしれない。)
 
 うむ、思いっ切り信者による賞賛の嵐に溢れる文章になってしまったような気がする。
 まぁ、叩くべき部分や擁護しきれない欠点もあるとは思うが、当時小学生だった俺にとって本作との出会いは衝撃的だった。衝撃的過ぎた。
 故に、どうしても賛美しか出来ない。許せ。(というか、今に至るまでお前は一貫して任天堂儲だろうが。)