思い出の作品達 百五回 「初代熱血硬派くにおくん」

初代熱血硬派くにおくん

初代熱血硬派くにおくん

 
 
 FC時代においてコミカル&バイオレンスな格闘スポーツゲームというジャンルを築き、一世を風靡していた「熱血硬派くにおくん」シリーズの一つであり、原点に立ち戻りFC時代の初代作と同じくリアル等身の格闘アクションものとして製作された作品。ただ、内容としては「ダウンタウン熱血物語」の進化版といった感じである。
 
 舞台は大阪……っぽい別の街だと思うぞ、うん。少なくとも俺はアレを大阪とは認めない。たぶん『オオサカ』なのだろう。
 とまぁ、ステレオタイプな大阪を舞台にバイオレンスアクションを繰り広げるアクション・アドベンチャー
 街を歩いていていきなり喧嘩を吹っかけられるのもオオサカだから、阪神ファンが攻撃的なのもオオサカだから、妙に訛り過ぎた関西弁を喋る輩が市内をゴロゴロしているのもオオサカだから……テクノスジャパン、大阪に何か恨みでもあるのか?
 
 システムとしては「ファイナルファイト」にRPG的な成長要素だとか消費/装備アイテムによる補助要素を付け加えた感じだと思っていただければ判り易いかと。敵を倒して経験値を溜めて成長し、シナリオを進めるうちに手に入れたり敵を倒した時に偶に落とすアイテムを装備したりして、キャラクター(くにお/りき)を強化して混沌と動乱に満ちている大阪を冒険する作品……だからテクノスジャパン、大阪をどんな場所だと思ってるんだよ。
 
 ただ、進行状況について1Pのセーブデータ基準で読み込み/上書きされているらしく『ある程度進めたセーブデータを2P、新規作成のセーブデータを1Pにして始める→大幅なシナリオ巻き戻り』だとか『アイテム管理のバグにより、いつの間にかアイテムが増えたり消えたり』だとか『うみのさるが増殖しすぎて困る(まぁ、仕様だが)』だとか、少々バグであったり微妙な仕様が目に付く作品ではある。
 
 若干本シリーズの中では異色な作品だと思うが、意外に面白いと思うので未プレイならば是非一度お試しあれ。
 ……ただし、本作を以って大阪を理解したつもりになどなるのは厳禁である。