思い出の作品達 百八回 「46億年物語」

46億年物語

46億年物語

 
 
 原作はPC-98用のRPG、そのリメイク作にあたる作品。
 何故かARPGにジャンルが変更され、シナリオの容量も随分とカットされまくったりしているのだが。
 
 個人的には途中まで(確か6500万年前の隕石墜落辺り?)しかプレイしていないがPC-98版が結構面白かった覚えがあるので、本作について余り高い評価が無かったりする。テーマ性としても、同様な設定のクインテット三部作に比べて見劣りする様な気がするし。『改悪移植』という言葉が当て嵌まりがちな作品だろう。
 尤も、原作をそのまま移植すると『進化の方向性を間違えて、Bad End連発』『強敵に出会ってGame Over連発』を繰り返す訳で、『クソゲー』の烙印を押される可能性も高いとは思うが……俺は絶賛しただろうし、レトロゲー好きな人種に後年高い評価を受ける事になっただろうから、出来れば原作に忠実な移植が望ましかったとか思ってみる……Wiiバーチャルコンソールに何とか組み込めないものか、PC-98とかの『Windows以前のPCゲーム』。MSXが参入出来るのならば、PC-98FM-TOWNSがあっても良いと思うのだが。
 
 さて、本作は敵を倒して得点を溜めてパーツを色々取り付けたり組み替えたりしてステージをクリアしていくタイプのRPG要素を取り入れたACTゲームである。舞台として遥かな過去から現生人類誕生辺りまでの時代を扱い、所謂『進化の実験場』をゲーム的に表現した(といっても、本来の『進化の実験場』はゲームスタート時よりも億年単位で過去の時代になるけどな……46億年物語とか言いながら、魚類からスタートの時点で看板に偽りありまくりだなぁ……)作品である。
 ACTとしては程々の出来であり、シナリオもそう悪くは無い王道な作品である。昨今の作品に比べれば難易度もそれなりではあるし、グラフィックやサウンドは十分及第点であると言える……だが、これといって売りになる部分が無い。特徴らしい特徴が見当たらない。俺自身、嫌いではないが(ゲームの黄金時代と呼ばれるあの時代の作品としては)好きな部類には中々入り辛い。
 
 良くも悪くも佳作止まりな作品……それが本作だろうか。