「終末少女幻想アリスマチック」

終末少女幻想アリスマチック 初回版

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 このペースだと、何時まで経っても終わりそうにないので、読破ペースを上げて一挙に第四楽章終了。
 しかし、本当に本作ってば節操無しに薀蓄・設定詰め込んでるなぁ。いや、尸解仙まで飛び出してくるとは予想外だった。
 ベースはSF+クトゥルーな伝奇活劇撃剣風味なのに、どうしてこうも様々な要素を詰め込んでくれるのか。全く以って俺好みな作品だなぁ。
 
 ただ、日常描写・非日常描写がそういった詰め込んだ要素をある程度消化しつつ伏線を仕込み/回収し、ところどころにネタをばら撒いて上手く読ませる文章になっているにも拘らず、相変わらず戦闘描写がいただけない。殊、多人数戦の描写が決定的に駄目だって事が本章で明らかになったような気がする。今までは殲滅戦ぐらいで大味でも気にならなかったものの、複雑な動きを身上としている白黒をメインに据えた際に、連携行動の描写に聊か不備が生じている……と感じたような。
 尤も、俺自身武道の心得は殆ど無いに等しいので、脳内に比較対照/連想出来る情報が無いからこそ想像の埒外になっているという気もするが。それならばそれで、世の中学校の授業程度でしか大概の人間は武道に触れないという事実を踏まえて、未経験者にも想像し易い/判り易い描写を行わなければいけないだろうしな。
 ……つまるところ、戦闘描写のあっさり感は演出上だとかライターの味だとか、そういった類のものではなく、単純に商業作品を手掛ける上での怠慢……というのは少々酷か。いやまぁ、他の部分の描写が俺としては非常に好ましいが故に、先頭部分の物足りなさや違和感が気になるだけなんだけどさ。
 
 兎にも角にも、己の招待を知った黒衣が絶望の濁流に飲み込まれるところで第四楽章終了。
 予告にて幾つか気になる場面があったのだが、果たして如何なる展開になるのだろうか。
 
 ――――で、最終楽章。いやぁ、爛れているなぁ。乱れているなぁ。
 しかし、よもや尸解仙一人>(越えられない壁)>達人六人+αってのは驚いた。
 まぁ、味方の一人が『精神が肉体を凌駕するような覚醒をする』って展開の場合、肉体に縛られた連中はそれに敵わないってのは王道ではある。
 ぶっちゃければ、少々毛色の変わったイヤボーンで敵さん全滅ってところか……そう解釈すると、随分な嫌展だなコレ。
 (因みに、今までの小夜音・六花両ルートの場合は『たかが人間の分際→たかが神の分際』な飛翔的展開って感じか。)
 
 さて、本当に人の裏を掻く展開を用意することにかけては随分と達者な本作。
 変貌自体は随分前に予想していたが、ここにきてその予想が裏目に当たるとは思わなんだ。
 ということで、最終決戦。例によって三面同時進行にて展開される王道てんこ盛り演出。
 って、あ〜もう。オペレーターの姉ちゃんが格好良過ぎると思うのは俺だけじゃねぇだろ、本当。
 ――――あ、伊織死んだ。
 
 ということで、白黒ルートのエピローグ。或いは信綱×圭ルート。俺としては寧ろ後者に燃えと萌えを強く感じた。
 どうでもいいが、ここまで姉妹丼を肯定的に描かれたら納得するしかねぇ。ちゃんとその後を暗示しつつも締めるのは好印象。
 尤も、物語としては第三〜四楽章辺りでもう幾つか分岐を作って何れか一方を選ぶ様にした方がいいかも知れないけどな。
 何というか、(物語として)綺麗ではあるが美しくないというか。美醜の振り幅が小さいというか。
 
 さて、次は操られて観影先生に斬られる事二回(内一回死亡)、仮想空間内にて信綱にあっさり殺される事一回……とまぁ、ここまで散々な扱いを受けている伊織のルート……いや、やっぱり深き者どもの血を引いている辺りが駄目駄目なんじゃなかろうか。原典の『インスマウスに覆う影』じゃ兎も角、近年のヒロイック・クトゥルーじゃ中ボスどころか、仮面ライダーで例えるところの戦闘員扱いだしなぁ。(厳密に考えれば、人間の敵う相手じゃないってあたりも共通点だな、戦闘員と深き者ども。)