「Bullet Butlers」

Bullet Butlers 初回限定版

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propeller 2007-07-27
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 あ〜、そう来るか。その展開は予想するべきだったなぁ。(記憶・戸籍の改竄について)
 両親の描写を希薄にしているだとか、或いは渡良瀬雪が何故に派遣されたか、その辺りを深く突っ込んで推測すれば辿り着けた可能性ではある。
 ……そいや、『軍事関係でアーバレストって何か記憶の何処かに引っかかるなぁ』と思っていたら、アレだ。旧い方のアームスレイヴか。
 まぁ、多分魔銃関連の記述において本作でも出てきたような気がしなくも無いけれども。
 
 教会の懺悔室から転がり出て、起き上がった拍子で互いに拳銃を眉間に突きつけあう。
 ……そして距離を取り合い、ふとしたきっかけから銃撃戦へと移り変わる。静と動、熱と冷の絡み合う一騎打ち。
 う〜む、良いシチュエーションだ。思わず背後に鳩を飛ばしたくなるような。
 
 教会での一戦を経て、いよいよ物語りは佳境へと向かう。恐らく、次の阿呆そうな相手をぶちのめした後に最終決戦っぽいな。
 下準備として町の全域に結界を張ったり、結界の確認を行ったり、アッシュが小市民っぷりを発揮したり。いやはや、金持ちへの羨望を口に出すアッシュがベネ。何というか、厳しい役であったり二枚目な役よりもこういった親しみやすい人柄な演技が実によく合うよなぁ。というか、感情丸出しで叫んでいるところは殆ど九郎化してねぇか、アッシュ(の中の人)。
 
 次の相手と目していた阿呆な人、何だかあっさり死んだー!?
 いやまぁ、脳筋な悪役ってのはあっさり死ぬものではある。なるほど、王道だ。
 そして、『朽ち果てし神の戦器』の相克、兄弟の一時共闘と雪崩れ込む。アレか、死ぬほど燃え上がる強さは無いが継続的に燃える展開が頻発するとか、そんなレビューを他所で読んだが、確かに燃える展開がてんこ盛りだなぁ。本作。そして、その共闘が決定的な破滅を向かえる前に、ギュスターヴの攻撃から互いに互いを庇いあって――――兄貴殉職。まさかとは思ったが、生かしておいても後々の対決を描く必要があるから、そしてそのネタは恐らくセルマルートまではとっておく必要が有るから、物語の構成上の要請からの死ってところだろう。(直前に十貴竜の雑魚三人を殺したのも同理由か。お陰で本ルートにおけるセルマ側の問題はここで決着がついたわけだしな。)
 無論、それだけではなく『朽ち果てし神の戦器』を手に入れたギュスターヴ≒ラスボスの強さを浮き彫りにする為の手法とも言える。まぁどうせ苦戦の果てに魔剣でぶった切る辺りだろうが。
 
 と、思っていた時期が俺にもありました。そうか、そうだよな。折角、兄貴が退場してるんだからここで『それを』使わない手は無いよな。
 黒白の二挺拳銃(ダブルガンスリンガー)をここで出さないで、何を以って決めにするってもんだよな。全く。
 つか、アレだ。何となくF/haのアトゴウラでの地の文を思い出した。『〜だが、』で始まるゲイボルグ効果発動の場面。相手を持ち上げに持ち上げておいて、更なる上位概念を持って打ち倒すって辺りに。下手にこれをやるとインフレだの厨性能だのになるんだが、上手く使えば(或いは一線を越えて突き抜ければ)燃え要素として立ち上がるよなぁ。
 
 で、エピローグ。何だかあっさり風味。
 一応最終幕で盛り上がりはしたが、何というか完全燃焼とまではいかずに終わったような。
 しかし、盛り上がっているのに燃え尽きれない理由は何なのだろうか……とりあえず、前作と比較して考えてみた。
 ヴァレリアの中の人的に、トーニャルートを参考に考えてみると――――あぁ、得心した。脇役だ、脇を固める熱い話が全然足りていない。
 主人公が持つ強い因縁話が表に出すぎていて、脇を固める仲間の入り込む隙が少なかったり。
 或いは、そもそも主人公の性能が前作と比べて高過ぎる故に、脇を固める仲間が活躍する場が中々無かったり。
 その所為で、妙にあっさりした感じになっている……のかもしれない。
 あぁ、他にも前回以上に展開が急変しすぎってのもあるかも。というか序盤・中盤・終盤の各々のパートは兎も角、繋ぎとなる部分が弱いような気が。
 
 ここまでの感想だと、残念ながら前作よりは評価を下げざるを得ない。
 だが、物語は最後までやってこそ評価の対象となりうる。全てを読まずして行った物語の評価など、犬すらも食わん。
 だから、さっさと雪ルートを攻略してセルマルートへ突入する作業に戻るとしよう。