「Bullet Butlers」
Bullet Butlers 初回限定版 | |
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ヴァレリアルート
・ヒロインの中の人はトーニャだったが、ルート的には薫ルートっぽい。つまり、燃え要素てんこ盛り。
寧ろ、ラスボス的にはすずルート。id:TAN666さんも指摘しているが、CV的にもギュスターヴの方が正統なラスボスっぽいし。
暴走して手段を選ばなくなり、暴走の果てに目的を忘れて、圧倒的な戦力で主人公に挑みかかる。
しかし、それを上回る命懸けな圧倒的火力で倒されて、最後に少しだけ幸せっぽく『我が生涯(ry』といった風で死ぬ、とか。
……そうか、CVも途中までの主な粗筋も完璧に九鬼先生だったのかギュスターヴ。
雪ルート
・ガラルート、或いはリックおいてけぼりルートとも。
一番頑張るのが基本的にガラと雪、というかガラ。爬虫類頑張り過ぎ。
……こ〜ゆ〜のを、ルート乗っ取りって言うんだろうなぁ。某赤い人よか酷い、何せエンディングまで殆ど乗っ取ってやがるし。
セルマルート
・ルート構成で考えれば、前作におけるすずルートに近いのだが、
どちらかと言えば「群青の空を越えて」における『グランドフィナーレ』に近い。
つまり、各ルートにおいて張られた伏線や語られた設定を回収していくという言わば『最後のルート』。
前作において、すずルートが『あくまで、メインヒロインがすずである場合の物語』を主軸に描いたのに対して、
(それでいて、題名である「あやかしびと」を踏まえた展開にしてある……最後、怪獣大決戦だけど。)
本作においては『「Bullet Butlers」という物語の締め』という要素を強く前面に出している感がある。
ただ、それにしては構成において難があるように思えるのも確か。
十八番の怪獣大決戦をラスボス手前で使ったが故に、最大の盛り上がりがクライマックス直前に終わってしまうという。
んでもって、肝心のラスボスはギュスターヴの焼き直しな展開で死亡。駄目だろそれじゃ、有りだけどさ。
ギュスターヴが前振り無しに援護したりするのは……脳内補完するしかねぇよなぁ。予想は出来たけど。
総評
・物語の前段や共通ルートに力を入れすぎて、ルート分岐後の差分要素が弱い様な気がする。
前作においては2/3は各ヒロイン毎の物語を描いた展開分岐だったのに対して、本作の場合文章量にして半分程度、
展開自体も各ヒロイン毎というよりも、セルマルートのラストに繋げる為の脇分岐といった印象が拭えない。
幾度か言及したような気がするが、物語構成自体の欠陥と言うべきだろうか。
ゴルトロックのアーク・メリア共和国、オセロットシティにおける群像劇という『世界観』を描写している部分が強過ぎて、
「Bullet Buters」という物語における各登場人物の色が若干薄れている気が。
……まぁ、世界観の構築が大変だったらしいからなぁ。いっそ、その辺りの詳細はお約束で流しても良かったんじゃなかろうか。
いや、俺は好きだけどね。細かい設定とか、本筋と関係の無い薀蓄とか。
・本筋と関係の無いとは言ったが、案外殆どの設定や伏線は本筋に上手く絡ませているんだよな。
つまるところ、世界と物語、展開と舞台回しは上手く機能しているんだが、人物描写が少々掘り下げが足らなかった。
というか、それ以上に展開の構成自体が欠陥があるんだけどな。
前作に例えて言うならラストバトルムービーが流れた後に、更にラストバトルが続いているというか。
最後の一騎打ち×2は展開的に厳しかった、何せ直前で殆どエンディングに突入しそうな感じでシドが死んでる訳だし。
・まぁ、やりたい事をやっているというのは伝わってくるんだが、前作に比べるとエンタテインメントへの考慮が減っている。
だからこそ、剣と魔法の世界の『現代』と言う世界観を上手く構築・運用して、物語れたのだろうが、
逆に言えば、それに感けたが故に娯楽物語としての起承転結に無理が生じてしまっている。
『仮想の世界とその物語』自体を強く描いたが故に『物語の人物』が上手く運用出来ていないというか。
各種の要素や、或いは場面毎の展開、或いは全体を通しての展開と相互連携に重視してしまったが故に、
選択肢や展開そのものの分岐、或いは各人物を描いた挿入部を出すタイミングを逸している様な。
特にセルマルートでのギュスターヴとか、幾らなんでも脈絡というものを考えて出て来いと。
(こいつだけは物語の『お約束』が強く働いて出てきてるよなぁ。)
・自分でも何を書いているのかよく判らなくなってきたが、要するに前作が荒削りながら手放しの賞賛に値するのに対して、
本作が随分と『惜しい』と言いたくなってくる作品だと言うこと……何か、ここ数年そんなのばっかり掴んでねぇか俺。
結論
・買え。少なくとも結構人に薦められる範囲の作品ではある。
・ただし、CPUとメモリとビデオカードに気をつけろ。演出とか結構重い。