思い出の作品達 第百十二回 「Sa・Ga2 秘宝伝説」

サ・ガ2 秘宝伝説

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 正直、初代GBのRPGの中では五指に数え上げられる名作RPGではないだろうか。
 王道を征きながら変化球で攻めてくる脚本、時に斬新/時に郷愁漂う楽曲、程良い難易度と奥深いシステム、混沌としつつも一貫した世界観と魅力的な登場人物の面々。前作がSa・Gaシリーズの原点ならば本作はSa・Gaシリーズの基本とも言うべき要素がまだまだ(発展段階ではあるが)詰め込まれている。畜生、愛してるぜ。
 
 物語はインディー・ジョーンズJr風の親父が幼年の主人公に別れを告げてから数年後、青年となった主人公が友人たちと共に父親の足跡を追って旅に出る場面から開始する。幾つもの世界に散らばる「秘宝」を求めて、彷徨い/戦い/出会い/別れ、遂には秘宝の謎を解き明かして世界を……といった流れとなっている。
 相変わらず削りに削った鋭く特徴的な台詞回しにて印象に残る人々と、ヒトの尊さ・醜さをこれでもかとばかりに見せ付ける舞台回し、一つ一つが独立した箱庭の様な風景をもつ『世界』。まさに前作「魔界塔士Sa・Ga」を継承し発展させた作風となっている。前作では個々の世界が独立し過ぎていた(『塔』と『世界』が乖離していた)きらいがあったが、本作では根底に『父親の足跡を追う』『秘宝の謎を解き明かす』という目的を敷いた上で『父親』と『秘宝』を積極的に本編へ組み込む事によって、より主人公たちの動機付けがはっきりと描かれており物語に一本筋が通った感がある。
 
 楽曲は一部を前作から引き続いて植松伸夫が、そして新規に伊藤賢治が担当している。特に後者の投入によってかなり楽曲のイメージが変わっている。この辺りは語りだすと限が無いのだが「必殺の一撃」や「死闘の果てに」/或いは「Never Give Up」や「燃える血潮」(まぁこれはノビヨだな)などここぞという場面で盛り上がる曲が準備されており、物語の展開をより際立たせ引き立てる効果を発している。いやはや、やはりサ・ガシリーズにはイトケンの曲が無いと困る。
 
 システム的には前作を拡大発展させ、斬新さを残しつつも取捨選択された、より『Sa・Gaシリーズらしい』システムとなっている。まず、人間の仕様がエスパーと同様にランダム成長になり、半ば任意/半ば無作為なランダム成長がより際立って取り上げられている。また、強い敵と戦った時ほど顕著に能力が成長する/エスパーが特殊能力を覚えるという成長難易度とも言うべき設定が存在しており、レベル制の成長システムとの差異がより明らかになっている。これは今後のシリーズ(一部除く)でも一貫して用いられ、今尚Sa・Gaの代名詞と言えるシステムの一つとなっていく事は周知の通りだろう。尚、本作では「ロマンシング サ・ガ2」以降にあるような『技を忘れる』機能が存在しない為、エスパーは一度空欄に特殊能力をつけてしまうと、その欄を装備品として二度と使えなくなってしまう仕様(空欄が全て塞がっている時のみ、優先順位が一番低いものを書き換える仕様)となっている。この辺り、まだまだ詰めが甘い。
 次に新種族・ロボットの登場である。成長が無い代わりに装備品によって能力を変化させる事が出来、回数は半減するものの本来使用回数制限のある武具を(宿屋に泊まることによって)繰り返し使用出来る能力を持つ。また、ロボットらしくステータス変化に強かったり、その分魔力が無かったりと人間やエスパーに比べるとかなり偏った特徴を設定された種族と言えるだろう。尤も、ロボット自体は黒歴史と呼ばれる次作「Sa・Ga3 時空の覇者」と「SaGa Frontier」にしか登場しなかったりするので、後のシリーズへの影響は然程大きくは無いかもしれない。
 後、本作において特徴的なシステムといえば『秘宝』を忘れてはならないだろう。これは一種の特殊な装備品であり、各能力に追加ボーナスがつけられたり、属性への耐性を得られたり、強力な武器・防具として使用出来たりする。はっきりいって後半においては凶悪な性能を発揮するのだが……あまり頼りすぎてばかりいると困るんだよな。
 他にもストーリーを自動的に整理して振り返ったり確認したり出来る『メモ』や物語の途中にてパーティに参加して戦闘を手伝ってくれる救済措置的な『NPC』など、初心者への配慮がなされていたりするのも特徴的だろうか。この辺りの心遣いは(進化/先鋭化していく)後のシリーズでは余り見られない要素といえるかもしれない。
 
 さて、本作については死ぬほどやりこんだ覚えがある。それこそ何週もプレイしたし『しちしとう』も取った。オーソドックスなパーティ構成から極端な構成まで色々と試してみたり、なるべく鍛えずにプレイしたりとことんパーティを強化してみたり。セーブデータが3つしか無かったから、それらのプレイデータはもう残ってはいないが、現在の様にプレイデータをメモリーカード等を通じて複数所持出来る仕様であるならば、十数個のクリアデータは残すことになっただろう。それほどに様々なプレイスタイルにて楽しめる作品であり、幾度と無く挑戦し甲斐のある難易度の作品であり、何度プレイしても色褪せる事の無い面白さを持つ作品であると言える。
 残念ながら本作は初代GBのみの作品であり、今となっては(バッテリーバックアップの電池切れも手伝って)満足にプレイ出来る環境は少ないだろうが、機会があれば是非ともプレイして欲しい……というか、しなければならない名作RPGだと断言出来る数少ない作品の一つだろう。
 
 どうでもいいが、前作がミリオンタイトルなのに、本作がミリオンに届いていないのが納得出来なかったりする。
 3がミリオンじゃないのは悲しいながら痛いほど理解出来るんだが……2は売れて然るべき名作だったろ、常考