思い出の作品達 第百十九回 「ゼルダの伝説 夢をみる島」

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 初代「ゼルダの伝説」がA・RPGにとっての革新的な発展作であり、「ゼルダの伝説 神々のトライフォース」が2D A・RPGにおいて一つの到達点であるとするならば、本作は2D A・RPGにおける完成形の一つの形なのかもしれない。ゲームボーイという当時としても限られた低スペックの中で、操作系も表現力も劣る枯れつつあった機種において、まさに枯れた技術の水平思考を成し遂げた作品であるといえる。いやまぁ、本作はA・ADVなんだけどさ。
 
 前作「ゼルダの伝説 神々のトライフォース」の続編に当たる本作ではあるが、十字キー+A・B・Start・SelectというGBの操作系の関係上からか、ゲームの構成としては寧ろ初代「ゼルダの伝説」に近い作品となっている。ぶっちゃけて感想を述べるならば「ゼルダの伝説 神々のトライフォース」の外面を被せた初代「ゼルダの伝説」とでも言おうか。(我ながら、何とも適当な表現ではあるがな。)
 機種性能が限られたが故に、制限された機能を最大限活かした演出を以ってプレイヤーを引き付け、データ容量が少ないが故に、最低限にまで削られたテキストを以ってプレイヤーを物語へと引き込み、感動へ誘う。しかしながら、本作において感動的なストーリーや気の利いた台詞回しはあくまで舞台を整える端役でしかない。本作を名作と言わしめている所以は『高いゲーム性』にこそ存在する。
 しかしながら、端役とは言葉が過ぎると思わなくもない。要所要所に語られる世界観や徐々に明らかとなる『主人公の役割』、そして最後に待ち受ける真実と結末はプレイヤーの記憶に残る名脚本といって差し支えのない代物であるだろうし。
 
 さて、前作に比べてボタン数が限られ、前述の様に(操作系としては)初代に準ずる本作。ハード性能もカートリッジ容量もFCDSよりはマシとは言えどもSFCには到底及ばない本作……されども、触っていて感じる楽しさにおいてはSFCから『進化した!』と思わせる何かがある本作。
 というのも、よくよく比較してみるとアイテムの数こそ減少しているものの、アクション的な要素に限って言えば寧ろ『ロック鳥の羽』によるジャンプが加わった分上昇していたりするからだったりする……と思う。(その分、マジックアイテム系が大幅削減されていたりするし、ハンマーや虫取り網の類が無くなっていたりもするけど。)
 ジャンプで穴を飛び越えたり、ダッシュジャンプでそれまでは目の前に見えているにも拘らず辿り着けずにやきもきしていたアイテムを手に入れたりと『本筋進行度に合わせて、探索出来るエリアが順次爆発的に増えていく』というA・ADVの原則をきっちり守っているからこそ味わえる達成感。そのゲームバランスの緻密さであったり構成の妙こそが本作を名作としている最大の要素ではないだろうか。
 後、些細な点ではあるが、本作より『収集アイテム』が本格的に採用されたのも個人的にはツボだったりする。貝殻集めに必死になった思い出は本作プレイヤーならば必ず持っているだろう。剣Lv.2を目指して俺も随分頑張ったもんだ。
 
 何はともあれ、GB/GBCにおいて屈指の名作である本作。
 流石の御所の看板作品だけあって、万民にお勧め出来る。
 興味があるならば一度はプレイしてみる事を推奨したい。