思い出の作品達 第百ニ十一回 「天地創造」

天地創造

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 地裏フィールドに流れる悲壮な覚悟を感じさせるBGMと画面に表示される『内側に球を描く地球』に、感動した奴は挙手。ノシ
 冒頭からあの映像は反則だろう。鳥肌が立つ飛ばしっぷりだと思わなくも無い。
 
 本作は通称『クインテット三部作』と呼ばれる一定の世界観を共有するA・RPGシリーズの三作目に当たる作品である。
 基本的なA・RPGの操作系や仕掛けを盛り込みつつ、大筋の脚本や大胆な舞台効果、細かな演出に拘った名作と呼べる作品である。
 
 光と闇が対立する世界観や、失われたり捻じ曲げられている歴史。物語を進めるうちに真実へと辿り着き、最後に闇(ダークガイア)へと立ち向かう物語の構造は前作から引継ぎ大幅に発展させられている。また、後半〜終盤に掛けて畳み掛けるように物語が爆縮していくのも前作に倣い発展させた部分かもしれない。無論、そこに至るまでに気付く範囲/気付かない範囲で様々に伏線を張りまくっていたりもするので、強引ながら納得させられる流れとなっているのも好印象。エンディングは賛否両論だろうが、アレはアレで良しと思ってみたり。
 また前作に比して、武器防具制が導入され、経験値/レベル制が採られ、上下左右に加えてジャンプがコマンドに加わる等の変更により、ADV的な謎解きが少なくなりACT/RPGとしての色合いが強くなっているのも特徴か。
 
 また、今回も有名漫画家にキャラクターデザインを委託しており、本作では「雷火」「ドラゴンクエスト ロトの紋章」等で知られる漫画家:藤原カムイ氏が手掛けている。尤も、SFCレベルでのドットによる再現なので、作中では然程活かされてはいないが『胡坐をかいて地球を覗き込むアーク(パッケージイラスト)』など、イメージイラストとしては十全に創造を膨らませる良い仕事をしていると言えるだろう。
 
 さて、本作については色々とやり込んだ記憶に溢れている。
 初回プレイではポリネシアムー大陸の復活を知らずにいたとか、ガードコマンドを全く知らずにいた所為で(回避不能のHP半減連続攻撃を放ってくる)ラスボス戦にて回復アイテム利用による力押しを図っては惨敗し続けていたり、文明発展イベントも中途半端に消化しただけでほったらかしていたりと雑なプレイをしていた様な。
 その後、二周目では『完璧な』プレイに拘って、世界各地を隅々まで回り、幾度と無く往復し、都市を発展させきり、武器防具もレア含めて集めきった様な。レベルも99とまでは行かなくともかなり上げた覚えがある。更に三周目では開始直後から装備封印・魔法封印プレイにてラストまでぶっ通してクリスタルの槍一丁で凌ぎ切った事もあったっけか。A・RPGの中ではかなりやり込んだ作品の一つだと思う。様々にやり込める部分が程々に存在して、それなりに手応えがある割には慣れればさっくり進むから、その辺りで繰り返し楽しめるバランスになっているのだろうか。
 
 ともあれ、SFC後期のA・RPGとしては売り上げこそ大作に隠れて伸び悩んだ部分があるけれども、十分名作として呼び声の高い作品である。
 少々ACTが苦手な人も、RPGが面倒臭いと思う人も、双方共に好きな人も嫌いな人も、楽しめると思うので、是非一度手にとって貰いたい。