思い出の作品達 第百二十五回 「スーパーマリオブラザーズ」

スーパーマリオブラザーズ

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任天堂 1985-09-13
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 2DACTの金字塔にして、国内外据え置き型ゲーム機歴代最高売り上げを誇る、まさに化け物。
 十字キーとA・Bの二つのボタン(とStartボタンとSelectボタン)という単純極まりない操作系であれほどの楽しめる作品を作り出せる事の証左。
 シンプル・イズ・ベストの体現者。ゲームにはじめて触れる初心者から百分の一秒を争う熟練者まで幅広い層を取り込んだ万民向け作品の王道。
 22年の間(より正確に言うなら、AC版「ドンキーコング」からの26年間)世界中を席巻し続けるゲーム業界の広告塔。
 ――――それが、マリオという存在。
 
 本作は……えっと、一々説明する必要は無い様な気がする。ギネスブック認定の『世界一売れたTVゲーム』だし。
 国内680万本、全世界4000万本。派生作品は両手足の指に余る程(国内ミリオンヒットだけでも両手の指に余る)、影響を受けた作品に至ってはそれこそ星の数ほどと言っても過言ではないだろう2DACTの傑作である。本作を何らかの形で上回る作品はあろうとも、本作を超越する作品は今世紀中には出そうにも無い。まさに神懸り的な、人知を尽くしたら運が天から降りてきた様な、そんな作品。
 
 正直、データ容量は大した事は無い、ぶっちゃけたかだか40KB。文字数に換算して半角英数字4096文字、ただそれだけでしかない。
 グラフィックも荒く、サウンドもチープ。操作も移動・ダッシュ・ジャンプの三種類+その強弱とタイミングのみ。それからファイアボール
 ステージ構成と操作性の調整は今尚見習うべき点があるかも知れないが、まぁ客観的にみてそれぐらいしか今となっては見るべき点は無い。
 ……だが、それがいい。それこそが最も重要であり、忘れてはならない点であろう。
 グラフィックが荒くとも、一見してそれが何か判れば十分。サウンドが安っぽくても、心に残る音楽は出来る。
 操作が単純でも、操作性が良くステージが面白ければ何の問題があろう?
 
 操作の楽しさ、達成の楽しさ。
 見ていて楽しい、聞いていて楽しい、触ったらもっと楽しい。
 下手でも楽しめる、上手くなればもっと楽しめる。
 正に、理想的なACTと言えるだろう。少なくとも、本作以上に理想を満たしたACTを俺は知らない。多分、誰も知らない。
 未プレイならばFC版でもSFC版の「スーパーマリオコレクション」でもGBA版の「ファミコンミニ - スーパーマリオブラザーズ」でもVC配信でも構わないから絶対に一度はプレイするべき作品。本作に触れることなくしてACTを語る事は絶対に不可能だろう。