思い出の作品達 第百二十九回 「スターオーシャン セカンドストーリー」

スターオーシャン セカンドストーリー / スターオーシャン セカンドストーリー PS one Books

スターオーシャン セカンドストーリー
スターオーシャン セカンドストーリー
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 前作から大幅に広がった壮大な物語。
 前作から格段と進化させた戦闘システム。
 前作から一層その数と複雑さを増したスキル・アイテムクリエーションシステム。
 ……そして、前作と変わらず剣と魔法の世界なスペース・オペラ。設定だけ見ていれば立派にスペオペしてんだけどなぁ。
 
 さて、本作はエニックスSFCにおいて最後に送り出したオリジナルタイトル「スターオーシャン」(開発は皆大好きトライエース)の続編に当たる作品であり、時間軸としては前作の20年程経った同じ宇宙を舞台としている。尤も、前作の登場人物・設定は殆ど関係無かったりする。これはハードをSFCからPSへ移し新たなユーザーを大幅に確保する為(或いはするだろう事を見越して)の措置であると思われるが、その為唯一の前作から引き続いての登場人物であり主人公の父親であるロニキスの扱いが酷い者になってしまっていたりする。ぶっちゃけ、オルテガ(by DQ3)より酷い。
 ただ、前作において様々な新しい試みや独特の世界観/シナリオが評価されながらも、開発期間の短さから凄まじいまでの後半スカスカシナリオ&イベント未実装が批判の対象となったのを反映してか、前作に絡まない部分のシナリオ・システムについてはDisc二枚組を精一杯活かした大作らしいRPGに仕上がっている。銀河連邦・未開惑星保護条約・未知のエネルギー・古代に宇宙を統治していた超科学文明といったスペオペに有りがちな設定を詰め込んだ(中盤以降の)シナリオの展開はこの手の作品が好きな人間には堪らない部分があるだろう。良くも悪くもお約束の塊だしな。
 因みに本作の目玉の一つとなっていたダブルヒーロー・システムだが要所要所では『一方その頃……』といった別側面の展開があったりするのだが、基本的には殆ど展開も話の筋も変わらなかったりするので、然程特筆する事は無かったりする。大きく変わる点といえば、スタート直後暫くとマーズ村での野盗退治、武具大会とラクールホープ発射前後、エル大陸上陸時とエルリアタワーでのイベント、んでもって紋章兵器研究所でのイベントぐらい……まぁ、結構あるか。
 
 システム面ではSFCからPSへプラットフォームを移したことにより格段に上昇した処理能力を用いて3D空間におけるリアルタイムでの戦闘が可能となり、更に単純にバトルフィールド自体も前作と比して遥かに広くなったことによって、より戦術的なバトルが楽しめる様になっている。操作形式もマニュアル/セミオート/オートの三種類が採用されており、更に前作から更に強化されたアイテムクリエーション・システムを使いこなせば、更に強力なアイテムを手に入れることも可能となっている。これにより、腕の立つ人間ならば操作をマニュアルにして敵を封殺する事が出来るし、苦手な人間でもセミオートやオートを用いた上で強力なアイテム(ビターローションとか、バブルローションとか)を使いこなす事によって難敵に打ち勝つ事が可能となっている。リアルタイム操作に慣れているゲーマーから苦手な初心者まで幅広く対応した作りと言えよう。
 
 サウンド面では旧ウルフチームの製作スタッフと縁の深い桜庭統氏が前作に引き続いて楽曲を提供しており、桜庭節と言える壮大さを感じさせるフィールド曲や疾走感溢れるバトル曲が場面場面を引き立てている。また、一部楽曲については前作の強化アレンジ曲が採用されており、前作をやり込んだ人間ならニヤリと出来る箇所があったりする。具体的には隠しボスの面々とか。
 
 今度、初代共々微妙に配役へ文句をつけたくなるリメイクが出るらしいが、その出来栄えが気になるところだろうか。