思い出の作品達 第百三十二回 「ゴールデンアイ 007」
ゴールデンアイ007 | |
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ダイジェストながら映画のストーリーがほぼ丸々収録されており、更に映画では描かれなかった部分のストーリー補完的なステージや、歴代シリーズの内で人気の高い作品からのゲスト出演キャラクターやステージが加えられている。因みに(特に言及する必要は無いと思うが)ジェームズ・ボンドは元となった映画に準じてピアース・ブロスナンを元としたポリゴンキャラクターで描かれている。
低難易度でもかなりの高度な反射神経や記憶・判断能力を必要とし、完全にやり込むには(FPSが今一つ盛んではない我が国としては)並大抵のゲーム力では不可能なほどシビアな難易度設定にも関わらず、映画の効果やそれ以上に対戦の面白さが口コミで広まった事に応じてか、FPSとしては国内異例の30万本というセールスを記録している。これは、単純にゲームとしての出来が素晴らしく、一人でやり込むも良し/それ以上に多人数での対戦プレイが異様に熱いというN64のハードに合致した内容がユーザーの人気を呼んだからと思われる。実際に俺の知り合いでも『N64のゲームは良く知らないけれども、お前の家or○○の家で遊んだ007は凄ぇ面白かった』という感想が後を絶たない。尚、日本とは比較にならないほどFPSが盛んな欧米では更に評判が良く、最終的には全世界800万本のセールスを記録した大ヒット作品である。
当時としてはそこそこ高度なポリゴン描写ながらROMカートリッジを用いた事によって抜群の読み込み速度を実現、よく練りこまれたマップ構成/仕掛けの数々や(流石に高度な対応能力は無いものの)状況や難易度に応じて動きや反応を変えるAI、FPSに相性が抜群に良かったコントローラによる操作性の良さ、そして何より複数人で盛り上がる事を前提としたハード設計。(国内において、N64は元々対戦ゲーム主体のハード設計/ソフトリリースをしていた為に2個以上のコントローラを常備している家庭が多かった。)それらの条件が全て重なった上でこそ、異例のヒット作となりえた作品だろう。あくまで対戦型FPSとしての評価が口コミで広まったが故のヒット、と言っただろうか。
さて、本作については非常に思い入れが深かったりする。
最終的には凄まじく本作が上手い知人に頼んでコンプリートして貰ったものの、ノーマルまでは根性でクリアする程度にはやり込んだし。
(『秘密基地』のミッションが嫌になるほど壁なんだよなぁ……ナターリアが死にすぎるし、下手をすれば自分も簡単に死ぬし。
結局のところ覚えゲーなんだが、毎回微妙にタイミングがずれるから覚えていても死ぬときは死ぬし……)
そしてシングルプレイ以上にマルチプレイにのめり込んでいたのは言うまでも無く、友人と集まった際には必ず本作で数時間対戦プレイをするのがお約束になっていたりした。元々、俺自身も友人宅にて本作をプレイさせてもらって面白さに目覚めた口だし、俺の他にも本作をプレイした事がきっかけでN64を購入したり、007シリーズのファンになったりと様々な波及効果を生んだ作品だったように思える。
そんな本作にのめり込んでいた中で『モーションセンサー爆弾限定対戦』『黄金銃限定対戦』といった縛り対戦をしたり、はたまたお楽しみモードのお馬鹿なチートを起動してそれぞれのキャラクターポリゴンの珍妙さに笑いながら殺しあったり、或いは純粋にバトルロイヤルに興じたり、ありとあらゆる対戦方式/ステージで遊び尽くしたといっても過言ではない。
版権の問題からかリメイクやVCでの配信はなされておらず、プレイするにはN64本体毎購入する必要がある本作ではあるが、
私見ではあるものの、本体毎購入してコントローラを4つ揃えて対戦に興じるだけの価値はある作品だと断言出来る。
多少3D酔いし易い作品ではあるが、N64コントローラを用いて肩を並べて対戦する本作程面白い家庭用ゲーム機でのFPSは他には無いだろう。