思い出の作品達 第百三十四回 「ゼルダの伝説 時のオカリナ」

ゼルダの伝説 時のオカリナ

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 大人リンク=サンダルフォン(「斬魔大聖&機神咆吼デモンベイン」、「機神飛翔デモンベイン」)。
 ナビィ=ルナリア(「月光のカルネヴァーレ」)、或いはモーラ(原典「吸血殲鬼ヴェドゴニア」→「NITRO+ROYALE -HEROINES DUEL-」)。
 ついでに言うと子供リンク=水木俊治(「群青の空を越えて」)。
 ……要らん事ばかり思い付くよなぁ、俺も。尤も、勇者王とラハールがそれぞれ上記の役だったと知ったときには正直驚いたが。
 まぁ、声といっても台詞がある訳じゃないから然程気にならなかったりするしな。まぁ、そもそもヴェドゴニアではボイス付いてないけどさ。
 
 さて、本作はARPGの金字塔的作品である「ゼルダの伝説」シリーズの第5作目にあたり、それまでのコミカルなイメージを一新して外見・中身共に随分とシリアスな要素を強めた作品となっている。舞台や基本的な世界観はそのままながら、指人形の様だった前作までのキャラクターから本作(及び最新作「ゼルダの伝説 トワイライトプリンセス」の様な)リアル志向の3Dポリゴンで描かれたキャラクターに演じさせる事によって、がらりと印象を変える事に成功した作品という評価が出来るだろう。
 また、3D化を行いつつも今まで培ってきた従来の操作性や作風を残しつつも、カメラワークやアクションにおいて高い革新性を有した斬新な仕様を用いており、特に対象の座標軸をロック出来る「注目システム」を中心とした一連の操作系についてはユーザーのみならず業界内においても高い評価され、その後の3Dアクションゲームに大きな影響を与えていたとされている。(余談だが、この操作系が高く評価され、ファミ通クロスレビューにおいて初の40点満点の評価を得ていたりする。)他にも立体的な映像・音源を用いた演出や従来作から引き続いて(最新作に至るまで今尚受け継がれている)『気付く』楽しみに拘った程良い難易度の謎解きなど、ファンの間では今尚本作を以って最高傑作と推す声が高い。
 
 また、その人気の高さからシリーズ内では最も早く「移植」された作品であり、NGC用のゲームソフトとして二度リリースされているが、双方共に非売品(「ゼルダの伝説 風のタクト」の予約特典、開発中止となったN64DD用の『ゼルダの伝説 時のオカリナGC 裏』も同時収録/クラブニンテンドーのプレゼント「ゼルダコレクション」収録のみ)であり、現在入手は困難となっており一時は再配布を求める声が止まなかった。尚、現在ではWiiのVCにてダウンロード販売がなされている。尤も、N64のコントローラに適応したボタン操作を無理矢理NGCコントローラ対応にしているので、操作性が若干低下していたり、エミュレータで動かしているので一部動作が不安定なところがあったりするのが玉に瑕だが。
 
 個人的には攻略本無しにプレイした一周目、攻略本片手にコンプリートプレイに徹した二周目、ノーミスプレイに挑戦した三周目etcと様々にやり込んだ記憶がある。また本編部分だけでなく、意味も無くハイラル平原を駆け巡ったり日がな釣りの記録更新に明け暮れてみたり、はたまたオカリナの演奏/録音に熱を入れたりと本編以外の部分にのめり込んだ様な。コンプリートに必要な流鏑馬や的当て等の各種ミニゲームも一時期は安定してパーフェクト出せるぐらいにやり込んだのもいい思い出だろう。
 3D映像・音源を活用した『眼前に広がる世界を駆け回る』楽しさを新たに提供し、従来の謎解き・ミニゲームについても縦・横に加えた奥行きという要素を活かしたものが多数用意されており、慣れるのに手間取るかもしれないが、慣れてしまえば従来以上の達成感や充実感を味わえる。また、後方俯瞰視点+快適性に拘ったカメラワークによりは当時の作品としては珍しく『3D酔いしにくい3D映像』を実現している。つまり、プレイヤーのイメージ通りなカメラワークを実現していると言う事になるだろう。上記の要素は何れも実現するに多大な調整が必要だった事を考えると、任天堂が本作にどれほどの力を注いでいたかが窺える。この辺りの注力が高い業界内評価を生んだ由縁といったところだろうか。
 
 前述の通り、今ならばWiiのVCにてプレイが可能だし、手に入れられる/入れているのならばNGC版のソフトもいいだろう。
 だが、完全に本作を楽しみたいというのであれば、N64での原典をプレイすることを強くお勧めしたい。
 (正直、操作性が段違い……Zトリガーはやはり偉大だ。あのボタン配置/握った際の安定感は絶妙過ぎる。)