思い出の作品達 第百四十二回 「天外魔境 第四の黙示録」

天外魔境 第四の黙示録

天外魔境 第四の黙示録
天外魔境 第四の黙示録
ハドソン 1997-01-14
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おすすめ平均 star
star発売当時やりましたが…
star無題
star何か物足りないです

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 正直、天外魔境IIの駄リメイクを出すぐらいなら、これをベタ移植でNGC/PS2にて出してくれた方がよっぽど良かった。
 今一つという評判もちらほら聞くけれども、短期間でしこたまやり込んだ作品だけに個人的には結構思い入れ深いんだよな。
 
 ハドソンの看板RPGタイトルであり、PCEにおいて伝説を築いた作品「天外魔境」シリーズの第四作目にあたる作品。
 因みに、正確な発売順だと外伝含めて八作目にあたる。(RPGに限ると五作目。)
 『外国人から見た間違った日本観』をベースに、オリエンタル・ファンタジーな雰囲気で描かれている1〜3+Zeroとは違い、本作では逆に『日本人から見た間違った亜米利加』が世界観のベースとなっている。時代設定としては1893年/1899年となっているので、丁度西部開拓時代が終わり、帝国主義時代へと移りつつある辺りか。まぁ所謂スチームパンク的な要素が詰め込まれていたり『タイムパラドックスだ!』と青野武ボイスで叫びたくなるオーパーツがちらほら散見出来たりするが、その辺りはご愛嬌。因みに主人公が日系人であったりするのは史実とは矛盾しないと思いきや、実のところは史実とは違う設定だったりする。
 如何にも『19世紀後半〜20世紀初頭のアメリカン』を髣髴とさせる設定やデザインは架空の歪んだ世界観をモチーフとする本シリーズならではの特色であり、本作でもそれは趣を変えてではあるがしっかりと発揮されている。
 
 ストーリーは良くある『運命に巻き込まれ型』の王道冒険活劇の形態をとっており、思いっきり詳細を省いて説明するとシリーズ恒例の『火の一族』である主人公達が魔物を暗黒教団へと挑む打ち倒すという物語となっている。まぁ、敵役の名前こそ毎度違えども舞台展開はいつも通り同じと考えてもらって全く問題無い。まぁ、本筋自体はお約束の固まりだしな。その代わり、本編以外の部分では悲喜交々な台詞や小ネタが仕込まれている。文明論や人種差別問題から、アメリカについてのトリビア各種、その他駄洒落やアメリカンジョークの類まで詰め込めるだけ詰め込まれているのが好印象。
 システム面ではかなり変化を遂げており、殊に戦闘関係においてはシリーズ最低の難易度となる改良/改悪措置が幾つも詰め込まれている。例えば魔法関連の凶悪さ具合であったりとか。補助魔法を使いこなせば難易度が低下するのはいつもの事だけれども、本作の場合は余りにも激減し過ぎてしまう。ぶっちゃけ、『ウィークマン』がなぁ……この辺り、バランス調整の基準がかなり初心者向けへ傾き過ぎているといえるだろう。サクサクプレイ出来るという点では俺は嫌いではないが、歯応えが無さ過ぎる。また、序盤からレベルに関係無くステータス一律増加可能な勲章システムもアレだし。
 
 さて、本作については昔友人から本体毎借りて、一気にプレイした記憶が今でも色濃く残っていたりする。
 ……というか、俺がSSを欲しくなったのって本作と「バーチャコップ」、それと何故か「クリスマスナイツ」が楽しかったからだったしなぁ。
 難易度は高くないし、PCEでのシリーズに比べると斬新さに欠け、ZEROに比べても挑戦魂に欠ける何とも凡庸な作品ではあるのだが、安心して楽しめる大衆的な完成度は高いと、今尚思っていたりする。というか、何とかWiiNGC辺りにベタ移植してくれないものか。PSP版買っといて言う台詞じゃないけどさ。