思い出の作品達 第百五十一回 「ファイナルファンタジー3」 TAKE2

ファイナルファンタジーIII

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 NDS版は賛否両論あれども、中々に名リメイクだったと思う今日この頃。
 名作な原典が存在する以上、完全に全方位から好評とまではいかなかったものの古参も新参も好意的に受け止められる作品だったと思わなくも無い。
 ……ただ、出現敵数を減らすぐらいなら3DにせずFF6時代の様な2Dノキワミを魅せて欲しかったとか思わなくも無い。
 時代は3Dを求めようとも、2Dへの需要は少なからず存在すると思うんだが、どうだろうか。
 
 さてさて、本作はFCにおける最後の「ファイナルファンタジー」シリーズ作品であり、シリーズ初のミリオンを達成した作品となる。
 格段に増加したROM容量を活かし、二つのワールドマップを用いた広大なる世界において繰り広げられるクリスタルに纏わる冒険活劇、1のジョブシステムと2の熟練度システムを融合・発展させ、後に5やタクティクスや11に引き継がれる多彩な能力を持つ職業を入れ替えつつ進んでゆくジョブチェンジシステム。或いはその後のシリーズにおいて定番化される召喚魔法の初出やダメージ表示方法などの数値処理表示方法etc...、当時の基準として、或いは今尚振り返ってもシステム・シナリオ・サウンド・グラフィックの全ての面で高い完成度を誇っている、と断言しても過言ではないだろう。
 全体的に大きく進化した本作において、各ジョブに固有グラフィックを準備したり、各々に様々な特徴や能力を設定して(性能差は酷いのだけれども)それなりに差別化してあったり、アバンタイトルを再び用いて最初のボス戦直後から盛り上げに盛り上げてみたり、はたまたマップ上のキャラクターアイコンにモーションを取り入れて感情表現を上手く表してみたりと、様々な試みを垣間見ることが出来るのだが、特に戦闘システムの数値処理・表示のシステムは後のRPGに大きな影響を与える革新性を誇っている。メッセージエリアではなく、味方や敵のグラフィックアイコンと重ねて踊る様に表示させる手法は、今や定番の一つとなっている程に広い影響を与えた表現と言えるだろう。また、戦闘システムだけをとりあげても他にもオートターゲットなどユーザビリティを向上させるシステム周りの改善ではFF4以上に革新的な作品だったと言えるだろう。
 
 様々な事情により、NDSにてリメイクされるまで20年間の間オリジナル版しか存在していなかったにも拘らずファンの心を繋ぎ止め続け、『FF3こそシリーズ最高傑作』との声が絶えなかった点からも、本作が当時のRPGゲーマーの間に少なからぬ衝撃と感動を与えた証左と出来るのではないだろうか。少なくとも俺と弟の間では一度たりとも耐えなかったし。(随分とローカル過ぎやしないか、それは。)
 
 そう言えば、ふと思い出した当時の思い出なのだが、ポーション99個技を用いた裏技が掲載された小冊子(確かファミマガ辺りの付録だったか)を入手した時の驚きと、実践して成功した時の喜びが今尚鮮明に思い出せる。画面の乱れを押さえる為に傾けたFC本体を前に、読みふけり過ぎてボロボロになった冊子を手元に置いて、畳敷きの部屋で様々なアイテムを入手したり熟練度を激増させたり、先頭のキャラクターの経験値をバグらせてレベルを99にしたり、遊び倒した覚えがある。まぁ、どうでもいい話なのだが。