思い出の作品達 第百六十七回 「鬼神降臨伝ONI」
鬼神降臨伝 ONI | |
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(A.コンパイルが関わって台無しになったとか何とか。やってないから詳しくは知らんけど。)
本作はGBにおいて五作をリリースした人気シリーズが満を持してSFCにて投入したRPGである。
後にRPG黄金期(というかスクウェア黄金期)とまで呼ばれる程に各社共にRPGシリーズを立ち上げSFCに投入しており、色々と既存作品や競合相手との差別化を図るべく様々な試みが為されていた当時の市場において、本作も例に洩れず様々に一風変わったシステムが用いられた鬼作となっている。『鬼神降臨伝』だけに。
物語は鎌倉時代初頭の鎌倉から始まる。源頼朝の息子、源頼遠に拾われた天涯孤独の少年・北斗丸による冒険活劇・貴種流離譚と言うべき物語は王道ながらも当時はまだ珍しかった『史実を絡めた和風』という要素を加える事によって、当時主流だった剣と魔法の幻想世界(ファンタジー)な作品群とは一線を画した雰囲気を醸し出している。また、仮面ライダーの変身をイメージしたという本シリーズ伝統の『転身』システムや戦闘/非戦闘NPCをミニイベントをこなす事によって仲間に加えていく助っ人システムなど、他に全く見られないという訳では無いものの十分に特徴的なシステム構成が練られている事も好印象だろう。攻略難易度も比較的難しくなっており、普通にエンディングへと向かうだけでもかなりの歯応えと感じられる達成感の高い作品である。どうでもいいが、『和風』で『助っ人』システムが搭載された『結構高難度』なRPGって辺り、何となく『じゅうべえくえすと』を思い出してしまったり。いやまぁ、別に本作はSF要素皆無だけどさ。どちらかと言えばシナリオ展開としては『ヘラクレスの栄光IV』と『源平討魔伝』を足して割った感じといえば、何となく物語を理解して貰えるかもしれない。かなり偏った説明ではあるが。
同じくGBを初出として出世していったRPGシリーズである『Sa・Ga』シリーズや『アレサ』シリーズと比した際に、些かマイナーな本作/本シリーズ。
正に隠れた名作というに相応しい作品であると断言する。隠れ度合いでいうとエストポリス伝記なんて目じゃねぇ。
どうにかしてVC配信してくれねぇかなぁ。SFCのパンドラボックスの作品、中々味わい深いものが多いし。
晩節を汚し捲くっている中の人の名誉的な意味でも、是非ともリリースして貰いたい物だ。
……四十八(仮)を作るような人でも、昔はいい仕事してたんだ、と。