428 〜封鎖された渋谷で〜 「テレビのチャンネルを切り替えまくっている感覚」
428 ~封鎖された渋谷で~ 特典 スペシャルDVD「SHIBUYA 60DAYS ~Making 428~」付き
ともあれ、俺の愛する「街〜運命の交差点〜」が装いも新たに帰ってきた本作。
とりあえず、序盤の3時間分程をサラッとプレイしてみたところの感想では、前作の問題点を上手く改善した点と前作の良さを殺してしまっている部分とが入り混じっていて少々判断に迷う。概ね、個人的には『前作を越えようとしているよなぁ、中々面白いじゃないか。』と好評価しているのだが、同時に『これだから、SEGAに関わってからのCHUN SOFTは駄目だ。中村光一の才能も枯れたな。』と言う批判の声も理解出来なくも無かったりするし。
先ず、冒頭の一時間分を使ってチュートリアルを設置し、オートセーブを採用。更にはタイムチャートや各シナリオ間の移動を(読み込みを含めて)スムーズに移動出来る様にしたのは明らかに改善と断じる事が出来る。殊にオートセーブの採用はマルチバッドエンドシステム(或いは人生チクタクバンバン)と評すべき本作をプレイするに当たって搭載を熱望されていた機能だけに、漸くの採用に胸を撫で下ろすところだろう。また、TIPSにおいてふんだんに動画や画像を用いているのも、本編の合間の箸休めとして中々の気分転換が楽しめるところであると思える。
逆に、物語間の区切りを一日から一時間に区切り、更にはその中でもKEEP OUT→ZAPPING(JUMP)を多用して物語の展開を切り分けた事は、一面として短期間の区切りで上手く物語を引き伸ばして盛り上げている部分がある反面、些か個々の物語の流れが寸断され過ぎてしまうきらいが強い様に思える。これなら、前作と同じく全4分割ぐらいの区切りを目安とした展開の方が物語全体の流れを演出できたんじゃないだろうか。何と言うか、短いにも関わらず冗長な感覚に囚われてしまうのは、この辺りの構成に問題があると言わざるを得まい。
さしあたっては、このぐらいか。
ここから前作よりも面白いと思わせてくれる何かがある事を心から望む。