思い出の作品達 第百八十七回 「実況パワフルプロ野球5」

実況パワフルプロ野球5

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 中学高校時代、このシリーズと「スーパーマリオ64」と「マリオカート64」と「スターフォックス64」と「ゼルダの伝説 時のオカリナ」と「ゴールデンアイ007」と「オウガバトル64」と「牧場物語2」が出来ただけでもNintendo64を持っていた甲斐があったかもしれない。この時期にロード時間無しでゲームが遊べる事の恩恵は、下手に大容量化するよりも大きかったんじゃないだろうかと思えてくる。殊にACTの類ならば、尚更顕著に体感的な差があるしな。(PS版の'97や'98のロードは、N64版に慣れていると正直我慢出来なかった。)
 
 という事で、本作は当時ナンバリングタイトルとしてリリースされていたN64版の実況パワフルプロ野球シリーズ第二段。ゲームシステム自体は前作から基本的には大きく変わらず、マイナーチェンジといった按配だったが、その分前々作から導入されたサクセスが本作にて大きく花開いている。前作・前々作では「二軍の選手が一念発起して一軍を目指す」といった背景描写の少ない内容にて、あくまで野球ゲームのおまけといった要素の一つに過ぎなかったが、本作以降ではシナリオやイベントが数多く仕込まれていき、物語性に一定以上の重点が置かれるようになっていく。ある意味、現状を作り上げた起点、或いは戦犯と呼べるかもしれない。6における大幅な拡大をへて今となってはサクセスとその他の部分の配分が半々ぐらいまでなってるし。(無論、操作系のシステム更新であったり、ネットワーク利用等の新機軸システムの導入であったりと、新奇性には多少欠けるものの野球ゲームとしての部分にも刷新は常に図られている訳だが、それでもサクセスメインの広告戦略や別機軸サクセスであるマイライフの導入など、『サクセスありき』の路線へ傾いていった事は否定出来まい。)
 冒頭でも述べたがROMカートリッジを用いたデータの高速読み出しやN64の機能を活かした当時としては滑らかな3D描写はPSで並行リリースされていた年度版を大きく水を開けており、ACTやFPSへ異常にフィット感が高いコントローラと合わせて非常に快適なプレイを楽しめるようになっていた。惜しむらくは本作のリリース前に起こったNPB界における史上最大の脱税事件による影響から、多くの主力選手がデフォルトでは登録抹消されている事だろうか。(後にパスワード公開でデータの配信が為された。) その辺りの影響からかどうかは不明だが、翌年に発売された6がN64サードパーティソフト最大のヒットを飛ばしたのに相反する様に、本作は人気が薄かったりする。まぁ、現行サクセスの基本が出来上がっている6の人気と評価が高い理由は判らんでもないが。
 
 そいや、この年って矢野と大豊が阪神に来た年だっけ。今となっては懐かしいよなぁ。