思い出の作品達 第百八十八回 「ブシドーブレード」

ブシドーブレード / レジェンダリーヒッツ ブシドーブレード

レジェンダリーヒッツ ブシドーブレード
レジェンダリーヒッツ ブシドーブレード
スクウェア・エニックス 2007-01-25
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 地味に設定やシステムが奥深い鬼作格闘ゲーム、ただし余りにも常道を外し過ぎていたのと強気に数を刷り過ぎたのが敗因だろうか。まぁ、前にも言った事があるが数売れる類の作品じゃないとは思うけどな。弐共々、非常にコアな層向けの狭い市場しかターゲットに出来ない様な内容だし。尤も、弐についてはゲームとしての完成度は上がっているけれども、個人的にはこちらの方が妙なリアル感が感じられて好きだ。BUSHIDOしてるというか。
 
 さて、本作はデジキューブを展開しPSにメインプラットフォームを移してこの世の春を謳歌していたSQUARE-SOFTから世に送り出された格闘ゲームである。当時、中小のディベロッパーから大量にヘッドハンティングや買収・提携を行って自己開発力の強化とソフトラインナップの拡張を行っていた同社から、90年代中期から後期にかけて大量にリリースされたタイトル群の一つとして、知っている人間も多いだろうと思う。何だかんだで40万本弱売れてるし。
 PSという次世代機の性能を活かした3Dグラフィックを用いた多様且つ広大なステージと、そこを縦横無尽に駆け回って行う対戦形式。性能差のある登場人物と得物の組み合わせ。従来のダメージの多寡に関わらず操作性能の変わらないライフゲージ制ではなく、ダメージと操作性能を連動させ更には急所攻撃による一撃必殺の危険をはらませた部位破壊制を採用……等々、所謂格闘ゲームのお約束から逸脱し、更にはテーマでありタイトルにもある「ブシドー」即ち剣術を含む武術家同士の死合いの再現に強く拘った作品と評する事が出来るだろう。得物の間合いや破壊力、操作キャラクターの速度や腕力、対峙する場所の地形、そしてプレイヤーの操作技術。それら全てを総合した『兵法』が問われる作品として、弐と合わせて個人的には高く評価したい。
 しかしながら、世間では特異なシステムとそれに反した大きな知名度の相乗効果によって『クソゲー』と判断されている事が多々有り、こことかこことか、基本的に否定的な印象でのレビューが目に付くのが悲しいところである。ふぁっく。
 
 その後、「剣豪」シリーズとしてプレイステーション2にてシリーズを重ね、一定の評価を受けることになる訳だが……本数的には全然(一番売れた2でも17万本弱)なんだよな。何だかんだで当時のSQUAREのブランド力がどれだけ偉大だったかが判ろうというものか。そいや、元気って一回潰れたんだそうな。