思い出の作品達 第百七十四回 「三国志孔明伝」

三國志 孔明伝 for Windows95 / コーエー定番シリーズ 三國志孔明伝

三國志 孔明伝 for Windows95
三國志 孔明伝 for  Windows95
コーエー
売り上げランキング :

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

 PSにしか移植されていない名作シミュレーションRPG。他には存在しませんよ、ファンタジーやメルヘンじゃあるまいし。ましてやCPU処理が遅くて色々ともたついたり、せっかくの顔グラフィックが三国志大戦のと入れ替わっている劣化どころか腐敗移植なGBA版なんて断固として存在していないという事にしておいた方が精神衛生的に非常に宜しいだろう事は明白すぎるのでこの話はこの辺りに。担当者はくたばってよい。
 
 本作は「三国志英傑伝」のヒットを受け、劉備に代わって諸葛亮を主役とした続編作品であり、「三顧の礼」付近からの三国志演義を定本とし、例によって終盤に蜀漢大勝利なIF展開を用意したシミュレーションRPG(リコエイションゲーム)である。要は前作同様に史実では滅亡してしまう蜀漢による天下統一、陣没してしまう諸葛亮が生存していた場合の(或いは劉備関羽張飛ホウ統)架空の歴史展開が楽しめるのが魅力的な作品。尤も、あくまで演義を元にしているので、登山家や生姜が妙に重要キャラクターだったりするし(特にPSリメイク以後の姜維は軍師将軍とレアユニット扱い)、趙雲に至っては全編に渡って大活躍する仕様となっている。いやまぁ、馬忠や趙ギョクも活躍させてたけど。因みに、普通にプレイするのであれば登山家は斬った方がお得である。生かしておいても然程役に立たないので全員生存プレイなどを目指していなければ満面の笑みで斬り飛ばそう。
 さて、本作ではシステムは出撃ユニット半任意型+ステージクリア型な形式が採用されており、基本的にはプレイヤーの嗜好に応じた編成で戦っていく事が出来るようになっている。ただし、三国志演義を元にしたストーリー上の都合から、一部ステージでは強制的に一部ユニットを出陣を余儀なくされてしまう場合がある。一番判り易い例で言えば街亭には登山家は必ず必要で必ず山登りしやがる、だとか。その為、余り偏り過ぎた育成をしていると時々泣きを見てしまうので、そういったイベント出撃が存在している武将はある程度は育てておく必要がある。逆にイベントで引退/死亡が確定しているユニット(劉備関羽張飛とか)へ経験値を振っていると著しく無駄になってしまったり。後、退却を繰り返したりターン数を消費し過ぎたりすると正史通り五丈原で陣没してしまうので注意が必要。(一応専用イベントなので見る価値が無い訳じゃないが、ムービーに限って言えば普通に.aviファイルとして見れるからなぁ。まぁこれは全ムービーに言える事だが。)
 どうでもいい最近知った話だが、本作中に挿入されるムービーシーンにおける声優は(一部配役が入れ替わっていたり異なっていたりするが)後の無双シリーズのそれだったりするらしい。
 
 個人的には上記でも書いたとおりにGBA版の劣化移植が怒り心頭だったり。特にシナリオが進むに連れて回想(少年)→回想(青年)→前半→中盤→終盤と孔明の顔グラが段々老けていくのが味があってよかったのに、GBA版だとアレだからなぁ。