鬼哭街

ひぐらしのなく頃に」をプレイしていて『選択肢が無いストーリーノベルと言えば』と思い出した作品。
Nitro+虚淵玄による書き下ろし中篇デジタル小説、ジャンルはサイバーパンク武侠片。

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間違った未来、誰かが選択を誤った世界。
犯罪結社・青雲幇の牛耳る上海に、一人の男が舞い戻る。
彼の名は孔濤羅
かつては幇会の凶手(暗殺者)であり、
生身のままにサイボーグと渡り合う『電磁発勁』の使い手である。
仲間の裏切りによって外地で死線をさまよった彼が、
一年の時を経て上海に戻ってみれば、
すでに裏切り者たちは幇会の権力を掌握し、
そればかりか濤羅の最愛の妹までもが辱められ殺されていた。
怒りに身も心も焼き尽くされた濤羅は、
その手に復讐の剣を執る。

仇は五人。

いずれ劣らぬ凶悪無比のサイボーグ武芸者たちを、
一人また一人と血祭りに上げながら、
孤高の剣鬼は魔都上海の夜闇を駆け抜ける。
(ニトロプラス鬼哭街」OHP [ World&Story ]より抜粋)
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簡単に言えば『近未来が舞台設定のハリウッド風味の香港映画、ただし高予算で贅沢に作り上げられた感じ。どシリアス』
元が同人用の企画だっただけに、著者の思うところが過去二作品(「Phantom of Inferno」「吸血殲鬼ヴェドゴニア」)に比べてもはっきりと現れており、非条理な展開は一切省かれた非現実的な設定内での何処までも現実的な物語が楽しめる秀作。
因みに本作を忠実に再現したドラマCDも発売されており、声優陣のイメージどおりの声質と熱演でこちらも非常に聴き応えのある作品に仕上がっている。
http://www.nitroplus.co.jp/pc/kikokugai/Cyber_top.html