思い出の作品達 第二回 「じゅうべえくえすと」

じゅうべえくえすと

じゅうべえくえすと




 えっと、確か小学生になりたての頃に親父が同僚から借りてきてそのまま買い取ったらしいソフト。それまでのRPGに無い独特の雰囲気や和風な感じが気に入ったのか、俺も結構長らくハマってプレイし続けていた。特にお気に入りだったのがオニガランド編とオーロラ王国編、力押しでも何とかなる手ごろな難易度と童話風な世界観が好きで、キーアイテムを手に入れたら本編をすぐさま放棄して夢中になってプレイしていた様な記憶が。
 尤も、本編の終盤になって『金が無いから武器を強化出来ない』『敵が強くて倒せないし削り負ける』『エンカウント率が高くて戦闘ウザスwww』の三重苦に苦しめられて、放棄した作品ではあるが……中盤までは面白かったんだがなぁ。
 
 さて本作はBIRTHDAY製作/NAMCO販売のRPG第二弾、SFで和風な冒険活劇モノ。第一弾に当たる「貝獣物語」を正統進化・発展させた大作RPG。全10章に及び日本はおろか大陸にまで至る広大なフィールドや、異世界を舞台にした2本のミニシナリオを搭載し、当時としては類を見ない長大な物語が楽しめる秀作。
 前作でも操作キャラクターを自由に選ぶことが出来る『パス』など、それまでのRPGとは一風変わったシステムを搭載していたが、今回もシステム面で様々な挑戦がみられる。主人公と共に闘う仲間達とは別枠で、戦闘には参加しないが様々な特殊能力を持った登場人物に協力してもらう『すけっと』システムなどはその筆頭と言っても差し支えないだろう。尤も、『キーアイテムが名前と演出を変えただけだ』と言われればそれまでなのだが、『旅に同行して協力するサブキャラクター』と言った概念を上手くシステムに組み込んだ意欲的な演出だと俺は思ってみたり。
 ただ、上記の感想から判る様に『(良く考えれば半分以上無視しても問題無かったりするが)後半、武具に費やす費用が高騰しまくるので金欠』『敵の凶悪化が唐突で、しかもエンカウント率は平均して異様に高い』と言った感じに戦闘バランスの調整が凄まじく丼勘定で、中盤の終わりから終盤の半ばまでは常時根気との戦いになったりするっぽい。後、移動が(0歩移動=方向転換のアクションが含まれているので)凄まじくもたつく仕様になっていたり、地面に落ちているアイテムを拾うのに苦労する仕様になっていたり、操作面での短所が今となっては少々目立つかもしれない。
 
 システム面での冒険や理不尽な仕様など、ゲーム業界自体がまだまだ黎明〜発展の段階だったからこそ発売された味のあるRPG。慣れてしまえば結構印象深く楽しめる作品だと思うのだが、今のゲームになれた人間には辛いかもしれない。俺も、今更全面クリアしろとか言われたら引くしな。