思い出の作品達 第九回 「魔神英雄伝ワタル外伝」

魔神英雄伝ワタル外伝

魔神英雄伝ワタル外伝




 知り合いから借りてプレイしたぐらいだが、妙に記憶にこびり付いて離れない作品。本当にかすかな記憶を辿れば、微妙に原作を楽しんでいたっぽい節がある(何か、幼稚園時代辺りに落書き帳へそれっぽいイラストを書き殴っていた記憶がある)ので、多分その辺りがこの作品への思い入れの起源っぽい。
 
 さて、本作はタイトルからして判るとは思うが原作付きのRPG(戦闘はACT)である。ただ、原作登場キャラクターは登場するし世界観も共有していたりするのだが、『肝心の主人公がオープニングとエンディングしか登場しない』という版権ゲームとしては素晴らしく珍しいつくりの作品となっている。この設定を活かしたのかそもそも最初から原作無視の方向なのか、原作を知らなくても楽しめるつくりとなっており、俺自身もさほど原作を知らないのだが特に悩む事も判らない事も無く、結構ハマってやり込んだ記憶があったりする。
 ここまでなら、版権ゲームにしては良作と呼べるレベルの代物なのだが……『ゲームバランスが先に進むほど崩壊してゆくっぽい』『ラストダンジョンのエンカウントが酷過ぎる』『挙句の果てにエンディングは引き逃げしやがる』という、長所では贖い切れない短所を抱えている問題作であったりする。
 
 ゲームバランスの調整不足とエンディングさえ除けば、当時のRPGの中では中々兵なだけに、惜しい作品といった印象が強い。