思い出の作品達 第二十三回 「ファイナルファンタジー2」

ファイナルファンタジーII

ファイナルファンタジーII




 『反乱軍のテーマ』とか『メインテーマ(フィールド曲)』とかが素晴らし過ぎる作品。因みにFFシリーズで(11を除いて)唯一小説版が存在する作品だったりする。まぁ、その小説の出来についてはさておくが。(さておくな。)
 さて、本作は同士討ちで序盤からHPを手軽に数千まで鍛えることが出来たり、行動キャンセルで武器や魔法の熟練度を十数回の戦闘で極めたり、中盤以降に訪れる筈の町に序盤から到達可能で強力な武器や魔法を購入することが出来たりするが、下手にそれをやると終盤に泣きを見るように作られている初心者殺しの名作。素直にプレイすればごく普通の難易度、意図的に回避率・魔法回避率を上げてやれば楽勝の難易度の作品であるにも関わらず、上に挙げた裏技の所為で高難易度のRPGとして語られることが多い不遇の作品。
 システム的には上記に挙げたような大きな穴を持つ本作では有るが、シナリオでは後の4や6などとあわせて『シナリオ重視の偶数』とまで呼ばれる発端となっただけあり、勧善懲悪を是としながらも愛憎入り乱れる感動的な話として脚本が練り上げられており、スコットの非業・ヨーゼフの憤死・ミンウの献身・リチャードの捨身など、涙無くしては語れない魅力的な登場人物たちが物語に華を添えていると言えるだろう。まぁ、FC版ではミンウは本当に犬死だった訳だが。アルテマ、本気で使えねぇし。