思い出の作品達 五十四回 「テイルズオブファンタジア」

テイルズ オブ ファンタジア

テイルズ オブ ファンタジア

 
 
 「テイルズオブデスティニー」をプレイ後、中古屋にて発見したのが出会い。
 
 勧善懲悪ではなく正義と正義のぶつかり合いを描いたシナリオ。(SFC最大のデータ容量を搭載しつつ)容量の限界に挑んだかのような豪華なビジュアルとサウンドと諸々のエフェクト。藤島康介の手によるデザインと各々を演じる声優の演技を活かした魅力的なキャラクター達。作中の様々な部分に仕込まれたネタの数々。隠れた名作とは本作の為にあると言えるほどに販売実績と中身の印象が(当時は)異なる作品だった。
 無論、細かい点にケチを付けようと思えば『RPG格闘ゲーム風ACTの組み合わせは『スーパーチャイニーズ』が原点、対して自慢すべき新機能じゃねぇ』『声が出る・主題歌が流れるっつったって、音割れてたら意味ねぇ』『食料システム使えねぇ、もう少しマシなの思いつかなかったか(まぁこれは後に料理システムへと改善されることになったが)』『こおろぎさとみかないみかの区別がつかねぇ、少しは配役考えろよ(これも変更されることになったが)』などといちゃもんを付けようと思えば幾らでも思い付く。しかしながら、それらを超えて面白いと思わせるだけの勢いが本作には存在したと思う。少なくとも当時の俺にとって本作はそう感じられた作品だった。
 
 ただ、最近のOVAで少々作品として晩節を汚した感があるが。やるならTV放映なら2クール/OVAなら10話分位は最低でも必要だっただろうに……それとも「Hellsing」の如く完全映像化を銘打って全ストーリーを改めて映像化してくれる計画とか無いだろうか。OVA50〜80話分ぐらいで。(無理過ぎる。)