思い出の作品達 五十七回 「ファイナルファンタジー6」

ファイナルファンタジー6

ファイナルファンタジー6

 
 
 ドリルは身に付けるもの、ただし右手に装備するとバグる
 
 スクウェア黄金期を彩る作品の一つであり、言うまでもないが日本製RPGの双璧の一方たるFFシリーズの第六作目。
 個性に溢れ魅力的な登場人物たち、時にシリアス/時にコミカルな物語、緻密に描き込まれた画像、耳に残り心に訴えかける音楽。どれをとっても一級品な作品であり、古き良き時代の面白さと新しい様々な要素がバランス良く組み合わさっていたまさに黄金時代の作品と言って過言では無いだろう代物。表現として描く部分と描かない部分のバランスの妙で、想像の余地(シャドウやガウなどの過去)を残した見事なバランス。前半の運命に翻弄される感じを表現する物悲しさに溢れた/中盤の世界が荒廃した感じを醸し出す/終盤の希望を盛り上げるフィールド音楽(特に『仲間を求めて』)や数多くのアレンジがなされて戦闘音楽の中では『ビッグブリッヂの死闘』と並んで人気の高い『決戦』。鉄と蒸気/剣と魔法の両立する世界を見事に描いている視覚面での表現。数え上げれば限が無いが、SFC時代のRPGにおいて傑作の名に恥じない様々な良点を搭載している。
 ……ただ、本作辺りから始まった傾向として『プレイヤー側の能力のインフレ』については少々疑問符が残るところではある。お陰で本作と次作では戦闘部のバランスが非常に悪くなっている。この辺りは戦闘を楽しむ(硬派?)ユーザーから手痛い批判を受けている……まぁ、簡単にカウンターストップするような作りは幼稚だと叩かれても仕方が無いわなぁ……このインフレの所為で荘厳な登場をしたケフカ(や烏賊セーファ・セフィロス)がネタ≒登場即撃破と化している訳だし。
 
 どうでもいいがオートボウガンでも可、まぁこちらの場合頭と体の双方に装備しないと防御力がカウンターストップしないが。