思い出の作品達 七十四回 「スレイヤーズ」

スレイヤーズ

スレイヤーズ

 
 
 原作関係無しに評価すれば、凡百のRPG
 まぁ、ゲーム自体の質としては「スレイヤーズ」の名前を冠したモノの中では随一だったりするのが悲しいところだが。
 (ろいやる/ろいやる2は兎も角、わんだほ〜がアレだったからなぁ。)
 
 原作を既読の前提で評価すれば、名作RPG。まぁ、第一部完結前の設定を元に製作されているので、今となっては矛盾が随分とあったりするが、大筋で幻の第三部を楽しめるのはファンとしては評価したい点。戦闘中のキャラクターフェイスの表情やステータス画面での一枚絵にSFCとしては妙に力が入っていたり、原作では今一つ判り辛かったではなかった舞台となっている地域を視覚的に表現した全体マップ、或いは原作でも然程登場している訳では無い呪文の相互干渉効果を盛り込んだ戦闘システムなど、バンプレスト製とは思えない頑張り様に聊か驚かなくも無かったりする。
 
 ただ、原作の印象を再現する為に主役級のキャラクターの初期レベルを99にて固定している(が故に、ステータスの面で成長させきった他のキャラクターに抜かれたりする)点や、キャラクター間の顕著な性能差(全体回復/補助が可能なシルフィールが使え過ぎる点)などで、詰めの甘さを感じなくも無い。無論、本筋をクリアするだけならば気になる事でも無いのだが……本編をクリアした後こそが本番だったりする本作としては、そこらの設定の甘さはキャラクターゲームとして結構致命的っぽく思えてならない。面白いから別にどうでもいいけれども。
 
 そう言えば、このゲームのCMではリナの声って林原めぐみじゃないんだよな。今となっては違和感だらけ。