思い出の作品達 七十七回 「真・女神転生if」

真・女神転生 if・・・

真・女神転生 if・・・

 
 
 その後の女神転生シリーズの基礎(「真・女神転生」にて起こった大破壊以前を舞台に様々な怪異的事件を地方都市単位で描写する形式……ある意味、本伝に当たる「真・女神転生3」でもその路線に従っていたりする気がしなくも無かったりする。orz)となったであろう作品。殊、ペルソナシリーズはシステム面や一部登場人物にて共通点が多く、本作を以ってペルソナシリーズの初代とすることも可能かもしれない。少々厳しいけれども。
 さて、本作では死→ゲームオーバーではなくキャラクターの強化とする不思議なシステムが導入されている。『ガーディアンシステム』というのだが簡単に説明すれば『死んだ時、その時点で一定の条件(ガーディアンポイント)に従って主人公達に悪魔が憑依し、強化されるシステム』といった感じ。誤解を恐れずに言えば、不自由なペルソナシステムといったところ。これにより、プレイヤーの方針に『どうやって死なずに攻略するか』だけではなく『どのようにして上手く死んで強化するか』といった選択肢を生む事になり、プレイスタイルの幅を生み出すことになった中々に考えられたシステムである。
 また、本作はあくまで真シリーズの外伝扱いといった立ち位置からか、基本的には「真・女神転生2」のシステムを使いまわし、その上で2Dフィールドマップを廃した3DダンジョンRPGとして製作された『より純粋で古典的な「女神転生」として作られた作品』であると考えられる。その為、幅広い支持は得られなかったモノの一定の購買層にとって好意的に受け止められる事になった、と思う。
 
 その後の路線を決定付けたと考えれば『習作』とも『戦犯』とも評価出来る作品ではあるが、単体の作品としては中々に出来が良いと思っている。
 PS版は問題外としても、SFC版は是非とも一度プレイして頂きたい。