思い出の作品達 九十三回 「エストポリス伝記2」
- 出版社/メーカー: タイトー
- 発売日: 1995/02/24
- メディア: Video Game
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前作冒頭に繋がる99年前の戦いを舞台とした作品……故に前作をプレイ済みであったりする人間には結末が予め提示されたネタバレ甚だしい事この上無い作品であったりするが、決められた結末へと(若干の前作との矛盾をはらみながらも)綺麗に着陸させ悲劇的純愛と英雄の最後を見事に描ききった王道的『英雄譚』と呼べる作品。シナリオ面では文句の付けようが無い、好き嫌いはあると思うが例えるならば「ヘラクレスの栄光」シリーズにて3→4で遂げた進化/変化に近い部分がある。
そういう意味ではシステム的において、前作が(戦闘面では珍しくWT制を取り入れていたものの)大筋では基本に忠実なシステムを採用していたのに対して本作では戦闘面にて(IPシステムやカプセルモンスター等、後のRPGに多数影響を与えた……とは言い過ぎであるが、十分に革新的なシステムの片鱗が見られるものの)全体的に見て基本に忠実なターン制バトルへと回帰しているのに対して、エンカウント方式に『ステップムーブシステム』やダンジョンの謎解きを全て『パズル・ダンジョンシステム』と変更するなど、シナリオ(『終盤でのどんでん返し』→『最後まで王道』)/システム(『癖は強いものの基本に忠実なシステム』→『独自要素を多数盛り込んではいるものの、万民に理解されやすいシステム』)の変化において共通点を見出す事が可能なのかもしれない。まぁ、こじ付け臭いとは思うが。
後、本作を語る上で欠かせないのはやはり中盤にて登場しもういちどモードクリア特典としても登場する『古の洞窟』だろう。前作においてはレベルにて探索階層が広がる固定ダンジョンだったのに対して、本作では『ステップムーブシステム』の導入と合わせて大きく装いを変え、ローグライクなランダム形成のダンジョンを攻略するサブシナリオへと変化している。『ダンジョン内でのレベルは突入の度に1からスタート』『20階に固定/その他ランダム入手の脱出アイテムを使うか、最下層まで行かなければ地上へ戻らない』『一部のアイテムを除いてダンジョン内にはアイテムを持ち込めない/ダンジョン内から持ち出せない』等、当時大人気を博していた「トルネコの大冒険〜不思議のダンジョン〜」を激しくインスパイヤしている節が多々有り(本編中盤から突入出来るので、持ち出しアイテム次第では激しくバランスブレイカーな部分はあるが)十分に楽しめる内容になっているものの、批判というか突っ込みの対象となっていたりする。