思い出の作品達 第百六十一回 「サガフロンティア」 TAKE2

サガフロンティア / サガ フロンティア PS one Books / アルティメット ヒッツ サガ フロンティア

サガ フロンティア PS one Books
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 『戦え!アルカイザー』を思わず口ずさむ事がある今日この頃。
 或いはこっそり『フルボイスでサガフロ』シリーズ新作を待ち望む近況。
 はたまた、『ヒューズのクレイジー捜査日誌』が楽しみでならない最近の俺。
 何を隠そう、サガシリーズの中で本作が意外に好きだったりするのである。意外でも何でも無い様な気もするが。
 
 GBにて『Sa・Ga』シリーズとして産声を上げ、SFCで『Romancing Sa・Ga』シリーズとしてコアなRPGゲーマーの心を鷲摑みにしたSQUARE-SOFTの看板ソフトが一つであるサガが、プラットフォームをPSに移して新たに新シリーズとして打ち出した『SaGa Frontier』シリーズの第一作目。前シリーズが剣と魔法の幻想世界を機軸とした世界観+時間経過に伴い発生/消滅する各種イベントを順不同でこなしてゆくフリーシナリオシステムで統一されていたのに対して、本作では剣と魔法の近未来SF風の独特な世界における七人の主人公のストーリーを描いたオムニバス形式なRPGとなっている。
 シナリオシステムとしては七人の主人公それぞれに科せられているメインストーリーと一部シナリオ上/設定上不可能な者を除いて全ての主人公がこなせるサブイベントの二つを同時進行する形となっている。前シリーズの様に『(戦闘回数と時間経過ポイントやシナリオジャンプイベントを組み合わせた)時間経過』によるメインシナリオの修正やサブイベント消滅は基本的には存在せず、用意されたイベントを出来うる範囲で好みに応じてこなせる様な仕組みとなっている。『リージョン』という島嶼風な小世界が点在するといった設定を活かした色彩豊かな舞台で繰り広げられる様々な事件や問題を解決/達成し、時には寄り道もしつつ七人それぞれが微妙に絡み合い/決して結び付かない物語を解いてゆく、といった一風変わったシナリオ形式は、七つの全く違った印象のシナリオを一つの作品/一つの世界観に収納して製品化させたという面もあるが、製品としては個々の掘り下げが不十分となったり没シナリオ・没イベントをいつもに増して大量に積み残したりしてしまったという功罪併せ持つ設定と言えるだろう。というか、ヒューズ編出せやコラ。
 戦闘システムは、鬼才小泉今日治の面目躍如と言える代物に仕上がっており、大きく四つに分かたれた種族と多種多様な武具・多彩な技や術を組み合わせ、鍛え上げ、例によって戦闘回数に応じて凶悪化する強敵の数々と戦い抜くシステムとなっている。ただし、前作までとは違い本作には(CDの読み込みがある為、その回数を減らす目的で)戦闘における逃走が無いので、意図的に敵を避け続けでもしない限り自然とキャラクターの強化が図れるので、難易度としては然程辛くは無いかもしれない。一部、凶悪過ぎる技や術もあるし。 また、技と言えば電球エフェクトが眩しい閃きシステムが代名詞な本シリーズだが、本作ではそれに加えて発動順や属性に従って技や術が連携し、単独に比べて与ダメージが倍加する『連携システム』が初登場となっている。その後の二作においても当然の様に搭載されている人気の戦闘システムだが、『単独発動時に比べて倍以上に膨れ上がるダメージ』『連携発動時の派手なエフェクト』『何か間抜けなネーミング』等、表向きな部分について本作登場の時点で既に整っている非常に完成度の高いシステムであり、基本的に戦闘マニア(と収集マニア)の多い本シリーズファンからは高い評価を得て迎え入れられている。
 更に、本作においても前シリーズまでと同様に楽曲提供は伊藤賢治氏が行っており、PS音源を用いた非常に多彩過ぎるジャンルを取り揃えたラインナップは氏のファンを満足させるに足る内容となっており、その充実度(殊、盛り上がりに盛り上がる戦闘用楽曲の巧さ)から『イトケン絶頂期』と称えられている。特にCM映像で用いられた『Battle#4』は映像と併せてCMとして主要購買層である中高生に強い印象と高い評価を得ていたりする。
 
 TAKE2が続いたので新規ネタのつもりで書いていたら、既に第百二十八回で通り過ぎていた事に気が付いた今日この頃……己が作ったリストぐらい確認しろよ俺。