思い出の作品達 第百八十四回 「モンスターファーム」

モンスターファーム

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テクモ 1997-07-24
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 とりあえず、ホリィさんは俺の嫁。異論は認めない。
 ……まぁ、やり込んでいたりすると酷い年増になってしまう仕様な訳だが。(これはTOとかFFTでもそうだけど。)
 
 さて、本作はテクモの中期を地味に支え、今尚シリーズが継続しているモンスター育成SLGの初代作である。
 プレイヤーは様々なコマンドやイベントを利用して各種モンスターを育て上げて大会を勝ち進み、最終的に四大大会と呼ばれる最高ランクの大会を全て制して名人位を得る事がゲームの一応の目的とされているが、それ以外にはさして目的がある訳ではなく、一応固定・不定期イベントも幾つか存在しているが、それらにしても育成の補助といった按配の代物であり、物語としての色彩は薄めに抑えられた純粋に育成・対戦システムとほのぼのとした世界観のみで勝負をしている作品と評する事が出来るだろう。
 その分、システムは中々に凝った代物を採用しており、単純ながら能力成長と寿命(種族差や育成によって左右されるが、平均四年)の兼ね合いが奥深い育成パートや合体を用いた技種や能力値の引継ぎによるモンスターの強さの底上げ、間合いの概念とガッツゲージ並びにそれらに左右される様々な性能差を持つ技を組み合わせた戦闘システムなど、見るべき点は多岐に及ぶ。だが、本作を語る上で最も革新的であり挑戦的であった部分は、やはり円盤石再生システムにあるだろう。
 各種CDを読み込ませ、そのデータに応じたモンスターを呼び出す事の出来る本システムは、遡ればバーコードバトラーに端を発するだろう『現実世界におけるゲーム以外の要素をゲーム内に取り込むシステム』であるが、J-POPの最盛期に重なり巷にCDが溢れており、レンタルCDショップの利用も盛んになされていた当時において、まさにゲームと現実世界を上手く繋げる要素として働いたと考察出来よう。いやまぁ、今から考えれば凄くディスクドライブに負担を掛けるシステムだなぁと思わなくも無いが、この目新しいシステムを目玉にした本作はPS躍進の潮流にも上手く乗る事が出来、シリーズ初代作としては大成功の部類に属する70万本のスマッシュヒットを記録する事となる。
 
 攻略本片手に、レアなモンスターを求めてTSUTAYAの音楽CDを借り漁ったあの頃。黄金モモを多用して(ゲーム内時間で)十数年の年月を重ねて全ステータスをカウンターストップさせるまで鍛え上げたあの頃。今となってはセーブデータも残っていないが、随分と楽しませてもらった作品だった。単純で奥深い、育成系SLGが求められる要素が心地良い名作SLGと断ずることが出来るだろう。
 因みに以降の続編は未プレイなのだが、そう言えば2の評判が凄く高いらしいな。