思い出の作品達 八十八回 「ドラゴンクエスト3 〜そして伝説へ〜」

ドラゴンクエスト3 そして伝説へ

ドラゴンクエスト3 そして伝説へ

 
 
 DQシリーズの中でも最も名作と名高い3の大幅リメイク版。数々の新アイテム/新要素が組み込まれ、かなり難易度を低下させた作品……まぁ、難易度を低下させたと言うよりも快適にプレイ出来る様に練り直した、という評価が妥当の様にも思えなくも無いが……難易度下がり過ぎてるよな、実際。
 
 基本的なシステムはDQ6のそれに準拠しており、便利ボタン(正確には5以降)/特技『思い出す/忘れる』/メダル王(同様に4以降)/グループ攻撃武器(同じく5以降)/宝箱以外でツボやタンスからのアイテム入手等が採用されて追加されており、また本作の独自要素としてサイコロ場/性格システム等が付け加えられている。これら、原作からの変更点によって本作はFC版とはシナリオとミュージックとフリーパーティ制を共有するだけの別作品と断言しても構わないほどにまで変容を遂げている。何せ、序盤から終盤に至るまで辛いと感じる要素が徹底的に排除されてしまっており、FC時代のRPGに郷愁を感じる様なゲーマーにとっては『ヌルゲー』と言えるだろう。
 ただ、脚本・演出面ではFC版では容量の都合上省かれた様々な要素が追加されており、(まぁ海外版ではFC時代から存在していたが)オルテガの旅立ち〜訃報までを描いたオープニングを筆頭に原作プレイ済みの人間でも楽しめるように様々に細かく追加/変更されている。更に音楽面ではFC時代と比べて大きく発展した音源を用いた原曲(つまり、「交響組曲 ドラゴンクエスト3 〜そして伝説へ〜」)を髣髴とさせる非常に勇壮かつ壮大な印象を与えるレヴェルへと進化を遂げている。
 
 以上の要素から、本作については『名作』と崇めるか『凡作』と罵るか難しいところではあるが、俺としては『FC時代の難しさを排除して、より一層誰でも楽しめ感動出来る様に作られた作品』と評しておこうと思う……まぁ直感的には名作扱いしていたのだが、改めて問題点列記していたら『正直ヌルいよなぁ……』と思わなくも無かったので。