思い出の作品達 九十四回 「大貝獣物語」

大貝獣物語

大貝獣物語

 
 
 前作、貝獣物語の正当な続編にして大局/細部において大幅にスケールアップした大作RPG。シリーズ初のフリーパーティシステムを導入、「じゅうべえくえすと」から受け継いだ『すけっとシステム』も健在、その他『我が町』『スタンプラリー』など然程出過ぎずかと言って物足りなくは無い程度に副要素も充実している。画像描写・音響表現なども90年代中盤のRPGとしては及第点以上の質を持ち、シナリオ面でも少々ぶっ飛んだ設定ではあるが硬派な内容を魅せてくれる。
 シナリオについて軽く触れたが、(朧げな記憶なので細部が曖昧だが)よくある『異世界召喚な剣と魔法のファンタジー』として始まり『スペースオペラっぽい(?)宇宙怪獣(?)との決戦』で幕を閉じるという設定考えた奴の頭の中を覗きたくなる様なぶっ飛び具合な本作。それでいて個々のエピソードと全体の流れは王道RPGのそれであり、この辺りはハドソンのお家芸とも言える『とんでも脚本の王道RPG』の代表作の一つといえるだろう。
 また、難易度も前半はそこそこに、中盤から上がりはじめ、終盤では(異様な稼ぎさえしていなければ)かなりの歯応えとなるべく調整されている。この辺りの調整は「じゅうべえくえすと」においても見られたメイ調整だと思うが、「じゅうべえくえすと」のそれに比べてまだ自然な感じに難易度を調節しているのは大作RPGも三作目になって作りに安定感が出てきたからだろうか、はたまたハドソンの監修が上手かったからなのだろうか。
 
 そういえば、ポットをファットバジャー戦に連れて行けば召喚獣にファットバジャーを加えられるってのは有名だったっけ?