思い出の作品達 九十九回 「フェーダ エンブレム・オブ・ジャスティス」

 
 
 色々と独自の壮大な設定とか、或いは妙に漢臭いシナリオとか、はたまた妙にカオス寄りを推奨しているかの様なシステムだとか、色々と特色がありそうに思える本作だが……ぶっちゃけ、そういった様々な皮を被った「シャイニング・フォース」だと考えていただければ理解が早いだろう。尤も、「シャイニング・フォース」に比べるとSRPG以外の(街探索とか)要素が随分簡略化されており、ひたすら戦闘とイベントが繰り返されるだけの様な気もするが。連戦も多いし。
 尤も、「シャイニング・フォース」と似通ってしまうのは中の人(キャラクターデザイン担当の玉木美孝氏とか)が一緒なので仕方が無いのかもしれないが、戦闘での演出やユーザーインターフェイス、或いは魔法や職業の体系まで似た代物にするのはどうかと思ってみたり。「テイルズオブファンタジア」と「スターオーシャン」だった(本作以上に中の人が一致しているけれども)ここまで露骨に真似てなかったと思うのだが。
 
 では、特色となるであろう設定とか脚本はどうなのかと問われると……言葉に詰る。大筋としては『かつて死神と恐れられた兵士が、軍に反発して軍を追われ、解放軍に入って圧制から民衆を開放する』という在り来たりな内容なのだが、その味付けに若干失敗している感が拭えない。面白いとは思うのだが、絶賛は出来ないと言うか……『語られない/未回収の設定多すぎ』といった印象が強い。尤も、続編をやっていないので、あの世界がその後どうなったか/未回収の様々な設定や伏線は回収されたのかどうか知らないのだが……2の評判が悪いらしいので結局中途半端だったんだろうなぁ。大体、2にはブライアン(本作主人公)出ていないらしいし。
 
 まぁ、良くも悪くも『よくあるSRPG』といった印象(あくまで俺にとって、だが)の本作。
 強くお勧めはしないが、それなりに楽しめるとは思うので興味を持ったのならば一度お試しあれ。