「終末少女幻想アリスマチック」

終末少女幻想アリスマチック 初回版

終末少女幻想アリスマチック 初回版
終末少女幻想アリスマチック 初回版

関連商品
うつりぎ七恋天気あめ 初回版
恋姫†無双〜ドキッ★乙女だらけの三国志演義〜
いつか、届く、あの空に。初回版
こんな娘がいたら僕はもう・・・!! 初回版
ef - the first tale.
by G-Tools
終末少女幻想アリスマチック 通常版
終末少女幻想アリスマチック 通常版
終末少女幻想アリスマチック 通常版

関連商品
処女はお姉さまに恋してる DVDフルボイスパッケージ
月光のカルネヴァーレ
いつか、届く、あの空に。初回版
恋姫†無双〜ドキッ★乙女だらけの三国志演義〜
Beatrice 『終末少女幻想アリスマチック』オリジナルサウンドトラック
by G-Tools
 さて、第二プロローグから新ルートへ突入してみた。いきなり冒頭にて冬芽視点にて物語が始まったのには驚かされたが。
 まぁ、冒頭で驚かされた後はいつもの如く共通ルートな訳だが……新プロローグを入れるぐらいにやる気を出すのなら、ちゃんと全編新しく書き下ろせといいたいなぁ。結構本気で。中途半端に伊織と冬芽を優遇しているだけ、としか思えん。新ルートを出す為の選択肢にしては少々気合が入ってから回りしている感がある様な無い様な。
 
 第二楽章辺り、冬芽ルート確定辺りから差分が散見されはじめる。伊織ルートのイベントをなぞりつつも、新規展開が目白押し。
 第二セッション直後の『蔵人の手料理』の様に全くの新しい展開や、日曜大工イベントの様に伊織を加えた面子で新しく書き下ろされた場面など、ラスト前にして随分と力が入っている。また、伏線や設定の回収へ向けて下準備も結構進んでいるような。天津甕星についてや宇宙的恐怖辺りへの推測など、日本神話とクトゥルー原神話の融合設定の解説が目立つ。
 ……しかし、伊織優遇されてるなぁ。ルート二つ持ちて、まるでメインヒロイン扱いだなぁ。パッケージの立ち位置とか、他ルートでの影の薄さが酷い分、己のルートで名誉挽回しすぎ。
  
 既存のルートとはかなり違う展開を見せ、早くも最終章へ。セッションにてそれぞれ初の相打ちに倒れた蔵人と伊織であったり、ヒカリが現れなかったりと、先を読ませない展開が中々に楽しい。まぁ、此処に来るまで既に5周は共有ルート+似たような展開を通っている訳で、ゲーム終盤に当たるこの辺りで変化球を投入するのは至極当然の仕事ではある……この辺りの作品構成については、本当に良い仕事しているなぁ。
 ……ただ、本当に優遇されすぎじゃなかろうか、伊織。唯一、水着イベント搭載してたりするしさ。ポロリつきで。
 
 今回も使いっぱ臭をふんだんに放ち、トミーほどじゃないが結構時報的な役割だったりする歪みし者。
 初見では今までに無いほどヘタレ風味だったんだが、例によって覚醒して再び姿を現す……とりあえず、創元推理文庫版をハブるのはよくないことだと思うぞ。いやまぁ、台詞の仰々しさや知名度から言えば確かに青心社版と国書刊行会版が有名だけどさ。俺も、『久遠に〜』の件は大好きだし。(まぁ、それ以上に、原典たる『That is not dead,〜』が好きなんだけどな、韻の踏み方とか、音の響きとか。)
 
 いやはや、本気で前回のSad End版を踏み台にした感じだな。例え下手で申し訳無いが、笛糸における鉄心Endに対する桜TrueEndの様な対比っぷり。
 つか、前回ケルト神話を絡めてきたと思ったら、今回は思いっきり日本神話だなぁ。つか、クーリって『菊理媛』か。となるとアマトは?信綱をスサノオと仮定して推測するに名前の語感や『やっかいな結界』といった単語から天照大神っぽいが。というか、そもそも菊理媛≒白山比竎神はイザナギイザナミの件に登場する神性であって、スサノオだとかアマテラスの時代よりも遡るしなぁ。
 ……いやまぁ、日本神話を基幹において、幾つかの神話から要素を取り出して組合せ、クトゥルフ風に再構成された別個の神性だと解釈するのが正しい楽しみ方だと思うけれども。それでも、元ネタを調べたくなるのが人情ってものだろう。
 
 そして最終決戦開幕……って、忍たまかよ!w
 塚原卜伝が登場したりにゃる様本体が降臨したり、或いは重火器で邪神の眷属吹っ飛ばしたりとと派手ではあるんだが、最後の最後で詰めが相変わらず甘い。何の脈絡も無く、イヤボーンで完結/白く輝く虚空に笑顔ってのはこれまた随分と打ち切り風味満載な嫌展の様な気が。
 有耶無耶に、勝手に完結するのは物語としてどうなんだろうか。いやまぁ、他ルートであったり或いはプレイヤーの知識であったりで解決/納得する部分が大きい作品と解釈する事も可能だが、それはそれとしても、最高潮な部分の欠落は補えない。何というか、起承結な配分なんだよな、本作。