今日のおすすめ『瀬名秀明「パラサイト・イヴ」』

パラサイト・イヴ

パラサイト・イヴ

パラサイト・イヴ (角川ホラー文庫)

パラサイト・イヴ (角川ホラー文庫)




 映画化・ゲーム化・コミック化と一世を風靡した作品。ゲームはオリジナル設定(続編?)で色々と問題の有る作品ではあるが、少なくとも初代は評価に値すると思う。流石はSQUAREと言ったところだろうか。
 さて、全ての原作たるこの作品だが、薬学博士である著者が記しただけあって研究室や生化学についての描写は緻密なものがあり、物語に厚みをもたらしている。また、ミトコンドリア寄生虫という設定は当時としては衝撃的であり、ホラーの真髄である『見えない恐怖』を煽るに相応しい代物であったと考える。少なくとも、中学生時代に俺は多大な影響を受けていたような気がする。
 
 個人的にはゲーム版「パラサイト・イヴ」の様なアクション満載な展開の方が好みなのだが、それはそれ・これはこれといったところだろう。他メディア作品を体験したことがあり且つ未読なら是非原典たるこの作品を一読されたし。