思い出の作品達 百四回 「スーパーマリオコレクション」

スーパーマリオコレクション

スーパーマリオコレクション

 
 
 SFC以降の作品を準拠にリメイクされた過去作品の総集編。
 収録されているのは「スーパーマリオブラザーズ」「スーパーマリオブラザーズ2」「スーパーマリオブラザーズ3」「スーパーマリオUSA」の四作、俺と同世代以下の人間にとっては『本作で初めて○○に触れた』という人間も多いのでは無いだろうか。特に「スーパーマリオブラザーズ2」とかは。
 基本的には『バッテリー・バックアップを利用し、各種データの保存が出来るようになった』『それに伴い、クリア済みステージの選択や再プレイが容易になり、お気に入りのステージに入り浸る/ゲームオーバー後の再挑戦が容易になった等、難易度の低下とプレイの利便性の上昇がみられる』『単純に音源や描写能力の向上により視覚聴覚面の演出が劇的に強化されている、具体的に言うと8bit→16bitぐらい。(当たり前だ。)』といった感じで、原作の空気をなるべく崩さずに新規の人間には易しく/古参の人間には懐かしくといった感じで面白く楽しめる様にリメイクがなされている。
 ただ、本来電源をつける→クリアする/ゲームオーバーになる/電源を落とされる等の方法でしか終了しなかった収録作品に『進行状況を保存し、次回には前回プレイしたところから再開出来る』というシステムを導入した事により『死んで覚える、何度も繰り返して覚える、とにかく覚える……そしてクリアする』といったACTの基本的な部分の重点が若干薄れている気はしなくも無い。それ≒進行状況の保存により『先に次々進む>同じ場所を何度も繰り返して少しずつ進む』を前提として作られた作品ならばそれは欠点ではなく利点として働くのだろうが、収録されている作品は原作ではバッテリー・バックアップ機能を搭載していない作品であり、コンティニューや残機に気を付けて(或いは無限1UPなどのテクニックを駆使して稼いで)プレイするスタイルだった訳であり、緊張感や挑戦精神といった初期ACTにおいて重要だった要素が軒並み削られているのは残念……と思ってしまうのは古参の悪い癖なのだろうか。
 まぁ何はともあれ『ゲーム史上尤も売れたACTゲームシリーズの詰め合わせ』としては悪くないと思うので、気が向いたらプレイしてみるのも悪くは無いかも。多分、Wiiの目玉機能である『ヴァーチャルコンソール』にて有料配信されると思うし。