思い出の作品達 第百五十六回 「テイルズオブファンタジア PS版」

テイルズオブファンタジア PlayStation the Best / テイルズ オブ ファンタジア

テイルズオブファンタジア PlayStation the Best
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 どうでもいいが、本作(の追加要素付き移植)が伝説のRPGって言うのは少し語弊がありすぎると思うのだが、どうだろうか。セールスもシステムもシナリオも逸話も、伝説と言うほどじゃないと思う今日この頃。
 
 シリーズ続編の「テイルズオブデスティニー」が当時のPSユーザーの支持を受け、ヒット作となったのを追い風にリメイク移植された作品。
 原典たるSFC版がDQ6の煽りを受けて『埋もれた名作』として一部コアゲーマーに支持されるに留まっていたところに、続編「テイルズオブデスティニー」の販促成功によってシリーズ全体の知名度が向上した事により注目され、本リメイクだけでは無く、シリーズで最も早くOVA化され、続編的作品が最初に発売された作品でもある。(正確には外伝、「なりきりダンジョン」シリーズの初代にして異色作なアレ。)
 90年代後半において、FCから更に盛り上がり続けていたDQFFの圧倒的な人気(ながら、ジャンルとしてはやや枯れつつあった)RPGと発売より少し前にジャンルが隆盛した格闘ACTという二つの異なるジャンルを組み合わせた特異なシステムと、(当時のSFCロムカートリッジとしては)大容量である48Mbit ROMを用いた主題歌・キャラクターボイスを多用した演出を売りとしていた原典を元に、SFC時代では不可能だったアニメムービー/キャラクターボイスの多用や音源の多様化/グラフィック精度の向上によって殆ど別作品の域にまで作り直された作品。尤も、RPGと格闘ACTの組み合わせ自体は別段本シリーズの専売特許ではない事をオサーンゲーマーとしては激しく主張しておく。お前ら、スーパーチャイニーズ忘れんな。
 
 まぁ、それはさておき、本作は原典であるSFC版と続編である「テイルズオブデスティニー」を元に、根幹部分のシステムはそのままに様々な要素を追加・増量・調整(・改悪)したリメイクとなっている。まぁ、最も目に付きやすい部分が上述したアニメムービーであったりグラフィックの向上だったりであり、SFC版では活かされていなかった漫画家・藤島康介の手によるデザインが映えるOPムービーは随分と力が入っており、本作に掛けるスタッフの意気込みが伝わってくる出来栄えであろう。また、新システムとして本作以降のシリーズにおいて定番化する料理(食材とレシピを揃える事により、様々な効果を発揮する回復コマンド)が実装されたのも本作が最初となっている。また、「テイルズオブデスティニー」において軽く実装されていたチャットシステムを進化させ、これまたその後定番となった『フェイスチャットシステム』も本作においてその骨格が完成している。その他、ミントの声優変更やチェスターへの新規配役、仲間キャラクターへSFC版ではモブキャラ止まりだった藤林すずの採用等の変更があるが、本筋には影響を与えない程度ではあるので割愛する。というか、本筋に影響を与えない部分の細かい削除・追加がしこたま有り過ぎて把握出来ない。大きなところではクリア後というか、最終地点到着後の隠しダンジョンの追加(トレントの森(深部)追加とか)
 戦闘システムについては大きく手が入った部分は無いが、続編である「テイルズオブデスティニー」とのリンクにより特殊アイテム利用による隠し技が追加されていたり、地味に凶悪すぎた某弓兵が奥義追加と引き換えに弱体化調整されていたりと結構細かく手が入っている……割には魔法でしか傷つかない筈のぶりぶり左衛門の一戦目、殴った方が早いままのは何故に。(外伝やGBA以降はちゃんと物理強耐性持ちになってるんだっけか。)
 
 SFC版を既にプレイしていたので、難易度面や新システムに若干の違和感を覚えながらも、豪華になったアニメーションやキャラクターボイスに演出面が強化された非勧善懲悪型シナリオに心を躍らせていた覚えがある。SFC版・PS版・GBA版とそれぞれ何度もプレイしてきたが、本作は今でも偶にプレイしたくなる事がある。何だかんだで、手頃に遊べる作品としてバランスが良い、とでも言おうか。批判の声も大きいが、別段悪い作品って訳じゃないと思うんだよな、テイルズシリーズ。(除くテンペスト
 
 そんな事を言いながら、未だにイノセンスを積みっぱなしなのはここだけの秘密。
 
※2015年08月28日追記
 凄まじく今更気付いたのだが、『スーパーチャイニーズ』だすなら、『ケルナグール』を出すべきなんじゃなかろうか。
 当時の俺はすっかり忘れていたみたいだけれども。